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農作業を終えた青年が、自宅に向かって、ゆっくりと歩いていた 不思議な事に、青年の後ろを二匹のゆっくりが、跳ねながら追いかけている その二匹は、ゆっくりまりさと、ゆっくりれいむなのだが、それぞれ帽子とリボンがない 「まつんだぜ!まりさのぼうしをかえすんだぜ!」 「ゆー!れいむのりぼんをかえしてね!」 二匹の飾りは、青年が左手に持っていた 青年の耳には、二匹のゆっくりの叫び声が、はっきりと聞こえているはずだが、青年はそれに答えず、一定の速度で歩いていく 「ゆー!まりさのぼうしをかえすんだぜ!」 「ゆ!ゆ!れいむのりぼんをかえしてね!」 いくらゆっくりが叫ぼうとも、青年はひたすらに無視を続ける ゆっくり達は、なぜ自慢の髪飾りを奪われ、無視されるのか分からなかった 二匹は、滅多に人の近付かない、森の奥深くで、豊富な昆虫や木の実などを食べて、ゆっくりと生活していたのだが ゆっくりぱちゅりーに、人間という生き物が、畑という場所で、美味しいゆっくりできる食べ物を作っている、という話を聞いたため 周囲のゆっくり達が止めるのも聞かず、一度、人間の食べ物を食べに行こうと、人里まで降りてきたのだった 二匹は人里まで降りると、いつも暮らしている森と、全く違う景色に、大喜びではしゃぎまわった 「なんだかすごいばしょなんだぜ!」 「もりにとじこもっててそんしたね!」 そんな会話をしている二匹は、棒を持った、二本足で歩いている生物、すなわち人間を発見した 「ゆゆ!なんかへんなのがいるよまりさ!」 「ゆ!あれがぱちゅりがいってたにんげんだとおもうんだぜ!さっそくごはんをもらうんだぜ!」 ゆっくり二匹は、ぱちゅりーから得た、人間の情報を自分の都合のよいように、歪曲、修正して解釈したため 人間は、美味しい食べ物をゆっくりにくれる生き物、と考えていた 二匹は、青年の前に飛び出すと、元気にあいさつをした、自分達に、美味しいものをくれる相手には、元気よく挨拶してやろうと思ったからだ 「「ゆっくりしていってね!!」」 「さっそくだけどはたけのごはんがほしいんだぜ!」 「おいしいごはんをちょうだいね!」 二匹は、すぐにこの男が美味しいものをくれるだろうと、思っていた しかし、青年は、二匹から飾りを素早く奪い取ると、そのまま歩きだした そして、現在にいたる、れいむとまりさの訴えは、すべて無視され続けている れいむも、まりさも、すぐにでも森に帰りたかったが、髪飾りを奪われている以上、そのまま帰ることはできない 「ゆっくりしてないおじさん!ぼうしをかえすんだぜ!」 「ゆっくりなおにいさん!はやくりぼんをかえしてね!」 悪口を言っても、褒めても男は無視を続ける ゆっくりが喋る、男は何の反応も示さず歩き続ける、そんな状況が十分は続いただろうか、自宅に着いた男は家の中に消えていった ゆっくりは、飾りを奪われたことも忘れて、初めて目にした、人間の家に驚き、感激していた 「でっかいおうちなんだぜ!とってもでっかいんだぜ!」 「ゆゆゆゆ!ここならとってもゆっくりできそうだね!」 そんな会話をしていると、家の中から出てきた人間に髪の毛を掴まれ、強引に家の中へ引きづり込まれた 「いいたいんだぜ!ひっぱらないでほしいんだぜ!」 「ゆぅぅぅ!いたいよ!ゆっくりやめてね!」 若者は、れいむを玄関に落とすと、殺さない程度に踏みつけた 「ぎゅびゅ!!!」 「れいむ!おじさんやめるんだぜ!れいむをいびゅ!!」 まりさが最後まで言わないうちに、男はその頬を平手で打っていた 「い…いたいんだぜ!やめう゛ぅ!」 男は再び、先ほどより少し力をこめて、まりさの頬を平手で打つ 男はそのまま、まりさの頬を叩き続ける、見ようによっては愛嬌のある顔は、平手打ちを喰らうたびに左右に揺れる 「いだい!びゅごめゆ゛っごめんなびゅびゅ!!!」 必死に許しを乞うまりさを無視して、男はまりさの頬を叩き続ける 「うぅぅ!!うぅ!!!!!!」 一方、男の足元ではれいむが、まりさとは比べ物にならない、苦痛を味わっていた 男はゆっくりと、しかし、確実に足に掛ける力を強め続けている 「うぅ…う…ぅぅ」 男から逃れようと、もがけばもがくほど、男から受ける圧力は高まっている 「ゆ!びゅ!!…ぅう…う!!!!」 自分の皮が伸びていく、体内の餡子が押しつぶされていく、抗い様のない苦痛 非力な、れいむの出来ることは、顔を真赤にして、耐えようのない痛みを受けながら、うめき声をあげることだけだった 男は、実に五分間の間、二匹のゆっくりを叩き、踏みつけ続けた 男は、顔を真っ赤にはらしたまりさと、頭が少々へこんだれいむを竹でできた、虫籠ならぬ、自家製のゆっくりかごに入れると、家の中に入って行った 男は食事に風呂を済ませると、二匹のゆっくりの前に、彼らの髪飾りをもって現れた 「ゆ!ぼうしをかえしてだぜ!」 「れいむのりぼんをかえしてね!」 男は、籠の中で騒ぐ彼らの前で、帽子とリボンを玄関に落とすと、それらを思い切り、踏みにじった 「やややめるんだぜ!!!はやくやめるんだぜ!!!!!」 「れいむのりぼんをふまないでね!!!!ゆっくりせずにやめてね!!! しかし、男の感情のない、冷たい瞳で見つめられると、眼の前で大事な帽子を踏みつけられているにもかかわらず、ゆっくり達は、なにも言えなくなった 自分達の、目の前にいる生物が、決してゆっくりの力では、敵わない事は、さすがのゆっくりブレインでも、理解できた 二匹は、震えながら、自分達の髪飾りが、蹂躙されるのを見ているしかなかった 男は、そんなゆっくり達に見せつけるように、何度も何度も飾りを踏みつける 男が足を退かす頃には、二匹にとって大事な、大切な髪飾りはボロボロになっていった 「れいむのれいむのりぼん…」 「いやなんだぜ…かえりたいんだぜ」 男は、滅茶苦茶に踏みつけた髪飾りをそのままに、自分の部屋に戻って行った 二匹は、しばらくの間、己の不幸を呪い、汚され、傷つけられた髪飾りに、涙を流し、人間にすさまじい恐怖を覚えた 二匹は、また男が来るのではないかと、びくびくしながら過ごした 「ゆ…もしももりにかえれたらにどとひとざとにはおりないんだぜ…」 「ゆぅ…にんげんはゆっくりゃよりつよくて…ゆふらんよりもいじわるだよもりにかえりたいよ」 二匹はそのうち眠ってしまった、極度の疲労と恐怖、髪飾りを滅茶苦茶にされた、精神的なショック、空腹などが、彼らを眠りの世界にいざなった れいむは夢を見ていた、子供のころ、姉妹たちと楽しく遊んでいた頃の夢だった 鬼ごっこや、かけっこ、かくれんぼなどをみんなと一緒に、やっている夢 「いたい!いたいよ!!!」 れいむは、髪を引っ張られる痛みで、目を覚ました 男の目線まで釣りあげられると、昨日のまりさが受けていた平手打ちを食らった 「いだ!やびゅ!ゆびゅ!いだいいだいぃぃ!!!!」 何度となく、男に平手打ちを喰らう、下では昨日のれいむの様に、まりさが男に踏みつけられている 「っづう〜…うぅう!!」 まりさの、綺麗な金髪を男の足が踏みにじっている、まりさも、昨日の自分の様に、皮の伸びる痛みと、餡子を押しつぶされる激痛を味わっているのだろう 男は、昨日のより多めに十分間ゆっくり達を痛めつけた ボロボロになったゆっくりを籠に入れると、男はゆっくりの入った籠を持って、昨日二匹に出会った場所に連れて行った 二匹を籠から放り出すと、昨日自分の手で滅茶苦茶にした、二匹の髪飾りを投げ渡した 二匹は、それぞれの髪飾りを咥えると、跳ねることはせず、地べたを這いずりながら、森へ向かって逃げて行った 二匹は、男に背を向けていたため気付かなかったが、男は去っていく二匹をまるで、卒業生を送り出す、担任教師の様な目で、見つめていた 「ふー、彼等もこれに懲りて、二度と人里に下りて来る事は、危険だということを学んだでしょう」 そんなことを言うと、青年は首にかけていた手拭いで、目からあふれ出る、心の汗を拭いとった 彼は自称、愛のゆっくり熱血教師、通称、ゆっくり体罰教師と呼ばれていた ゆっくりに口で言っても駄目だ、彼らに物を教える、最も効果的な方法は肉体言語だ、というのが彼の考え方だった 殴って、蹴って、人間がどれほど恐ろしいか教えてやれば、彼らは金輪際、人里へは下りてこない これで、人間の恐ろしさを知ったゆっくり達は、虐待お兄さんに捕まって虐待されたり、畑のトラップで死ぬ事もなくなる 教育の力で、あの可愛い生徒達は、大自然の中、のびのびと暮らしていく事ができるのだ 「可愛いゆっくりの未来を守るためには、体と体、心と心の、ぶつかり合いが大切なのです」 晴れ渡った青空に向かって、そう呟くと、男は家に帰っていった ちなみに、男から愛のこもった教育を受けた、生徒達はというと、結果的には男の言うとおり、二度と、人里には近づかなかった しかし、大自然の中、のびのびとは暮らしていくことはできなかった れいむは、長く頬を張られ続けたせいで、頬の皮が、柔らかく、破けやすくなっていた ゆっくり体罰教師に、地面に投げつけられたせいで、右頬には大きな穴があき、這いずるたびに、餡子が漏れ出した れいむは自分の体から、命の元が、徐々に流れ出ていくのを感じながら、二度と覚めることのない眠りについた まりさは、柔らかい饅頭の体で、人ひとり分の体重を長い間、かけ続けられたせいか、跳ねることができない体になってしまっていた ミミズのような遅さで、這いまわることしかできない身体では、敵から逃げることも、獲物を追う事も出来ない そんなゆっくりが、厳しい自然界で、生き延びることができるはずがなかった その日のうちに、まりさはれみりゃに食い殺されてしまったそうだ 作:ゆっくりな人 以前書いた虐待 ゆっくりカーニバル 臭い付きゆっくり(上) 臭い付きゆっくり(下) ゆっくり移植 きらーうーぱっく このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1653.html
厳しい冬が終わりを告げ、春めいた陽気の日々が続くようになると、山の竹林では一斉にたけのこが生え始める。 この竹林の周辺を住処とするゆっくり達にとっては最高のご馳走であり、冬を生き延びた自分たちへの山からのご褒美とも思えるものだ。 「ゆっゆっゆー ゆっくりしていってね!!!」 「ここに、おいしそうなたけのこさんがあるんだぜ! まりさがとってあげるんだぜ!」 「「「おとーしゃん、ゆっくちがんばっちぇね!!」」」 ここにも、6匹でなかよくたけのこ掘りに興じているゆっくりの家族がいた。 成体の「れいむ」に「まりさ」とれいむ2まりさ2の赤ゆっくり達。 たけのこは、土の中のまだ葉が開いていない物が美味とされるが、ゆっくり達はカサカサと音を鳴らし地を這うようにして動きまわり、器用にたけのこを見つけていく。 ゆっくり達の身体的な特徴は、真にたけのこを探し当てるのに適していた。 「ゆぅぅ〜 ゆぅうううーー・・・!!」 「おとーしゃん がんばっちぇね! おいしいたけのこしゃんたべさせてね!」 「あ! たけのこしゃんのおちりがみえてきたよ!あとちょっとやよ!」 「おかーしゃんすごいね! おとーしゃんすごいね!」 「ふたりちゃりとも ちぇからもちですごいね!」 かわいいわが子達の声援を受けて、両親の作業にも熱が入っていき、見事に土の中からたけのこを取り出すことに成功した。 「ゆぅぅぅうう・・・・・!!!」 「「すっぽりーー!!」」 間の抜けた、掛け声とともにたけのこを抱えたまま二匹は力を入れた方向に転がっていく。 たけのこと一緒にコロコロと2,3回転がった程度で回転は止まり、心配して跳ね寄る子供達に2匹はニッコリと微笑んだ。 「やったぜ! たけのこさんが掘れたぜ!」 「まりさとれいむにかかれば たけのこさんもいちころなんだよ!」 「ゆゆー おとーしゃんやったね!」 「これで たけのこしゃんむーしゃむーしゃできるね!」 「おかーしゃん だいじょうぶ? いちゃくなかった?」 「ゆぅぅ〜 とっちぇも ゆっくりできちょうな たけのこしゃんだねぇー!」 キャッキャッとはしゃぐゆっくりの家族達は完全に、たけのこに気をとられて浮かれていたため、周囲に対する警戒が薄くなっていた。 この時期、たけのこを狙ってイノシシなども竹林によく姿を現すし、ゆっくりにとって「ゆっくりできない」存在である人間なども竹林に入ってくる。 周囲への警戒はしすぎるということがないくらいに、厳にするべきであったのだが、この家族は取ったたけのこをその場で食べ初めてしまった。 「むーしゃ むーしゃ しししししぃーしあわせぇぇーー!!!」 「「「「ちあわしゃへーーーー!!」」」」 「うっめ! これうっめ!」 しかし、この無警戒には理由があった。 この家族がたけのこを取っている場所は、山の竹林の中でもかなり奥まっているし、やや急な斜面をびっしりと成長した竹が覆っている、竹の密集地帯だった。 そもそも、良いたけのこはある程度、竹林を伐採してたけのこの出てくる余地を作ってやって、初めて生えてくるものである。 効率を重視する人間達は、最初から目をつけた竹林に手を入れて、良質な物を手に入れようとする為、竹林の奥までわざわざ入ってくることは稀であることを、この家族は学習できていた。 野良にしては、優秀なゆっくりと言える部類であり、この家族の未来は真にゆっくりしていると言えた。 しかし、そう上手くいかないのが人生・・ もといゆん生である。 この家族の破滅の足音は、頭上50メートル付近で轟音を轟かせた。 バチバチチチッッ パァーーン ビチチチッ!! 「「ゆゆっ!!?」」 ゆっくりとしあわせーを交互に繰り返し、緩みきっていたゆっくり達の下膨れの頬が一気に緊張する。 彼女達からは目視できない、はるか頭上で鳴ったその音は親達ですら生まれてこの方耳にした事が無い音であり、赤ゆっくり達はたちまちパニックを起こしてしまっていた。 「「ゆぅーー このおちょなにぃー??!」」 「「ゆっぐじでぎにゃいよお”お”お”お”お”お”!!!」」 「おちびちゃん達! 落ち着いてね! お母さんにゆっくりついてきてね!」 「まりさが付いてるから安心するんだぜ! おかあさんにゆっくりついていくんだぜ!」 親れいむが子供達を先導し、親まりさはその場にしばらく留まって周囲を警戒した。 緊急時の役割分担すら完璧であり、自分達も初めて遭遇する事態であるにも拘らず、迅速に巣へ引き返し始めた。 先導する親れいむと親まりさにはさまれるようにして、4匹の子供達が安全に巣へ誘導された。 あたりには焦げ臭い匂いが立ち込めていたが、目に見える範囲での明確な出火は確認できず、事態を把握しきれない事に、親まりさは言いようの無い不安を覚えていた。 {何が起きたかはわからないけど、みんなのゆっくりはまりさが守ってみせる!} 心の中で、そう決意しながら家族とともに安全な巣へ引き返していくゆっくり達。 彼女達は知る由も無いことだが、餌場たる竹林の上空には高圧送電線が通っており、伸びきった竹が接触することによって、短絡(たんらく)が発生していたのだった。 そしてこの事象が、今まで人間の進入を拒んできていた竹林に人間を呼び込む原因となることを、勇敢な親まりさは知りようも無いのだった。 ==翌日== 「あーーーあぁ めんどくせぇなぁ」 そんな風に悪態をつきながら、長柄鎌とのこぎりを装備して5人の仲間と一緒に山の斜面をノロノロと登っていく一人青年の姿があった 年の頃は25、6といったところだろうか? ひたすらダルそうにしながら山の斜面を登っていく。 昨日の送電線の短絡事象は、変電所などの関連した設備にはたいした影響は及ぼさなかったが、 再発防止のため、彼らを含む複数のグループが送電線の巡回検査を行う為に山に入り込んでいた。 この青年、いつもはデスクワークなどを専門とし、現場作業にあっては下請け等をこき使う為、周囲からは白眼視されていたが、本人はそんなことは大して気にする様子も無くオフィスで砂糖のたっぷり入ったコーヒーをすすり続けており、入社以来使い続けた椅子はその重量を支えることが難しくなっていた。 シュボ スパスパ フゥーーーー あろうことか、火気厳禁の山林でタバコを吸うこの男は、他の仲間からどんどん距離を開けられていき、目的の竹林近くに到着した頃には、すでに竹の伐採が始まっていた。 「じゃあ、私達は鉄塔のところまでこのまま竹を切りながら向かいますんで、すいませんがこの辺りの竹をお願いしてもいいですかね?」 連れてきた下請け業者の責任者が、そのように申し出ると青年は何も言わずに黙ってタバコを咥えたまま、2,3度頷いた。 他の五人はそのまま、上空の送電線を確認しながら、送電鉄塔を目指して進んでいった。 青年は適当に、腰の辺りまで伸びているたけのこを鎌でつつきながら、2本目に火をつけた。 吸い切った一本目のタバコを、腰を屈めて地面にこすり付けていると、視界にふと、ところどころ齧られた跡のあるたけのこを見つけた。 大きな齧り口もあれば、小さなものもある。 イノシシかなにかとも思ったが、それにしては齧り方が控えめな様な気がした。 もっともこの青年は、イノシシの齧ったたけのこなど見たことが無いので、そんな気がしただけであり、そのうちにそんなたけのこには興味を失ってしまい、ささやかな自分の義務を遂行するために、ゆっくりと立ち上がった。 「もうちっと、””ゆっくりしても””いいかも知んないけどさ〜」などと呟きながら・・・・・・・・。 昨日の不意に起きた、破裂音を警戒して、ゆっくり達はいつもとは違い十分に警戒しながら、餌場に向かっていた。 彼女達の巣は、倒木などで出来た天然の屋根に守られており、夏は涼しく、冬は少しの工夫で寒風を凌ぐことが出来た。 入り口を塞ぐ葉っぱを取り除き、親まりさが周囲を警戒しながらでてくる。 その後に、子供達が続いて親れいむが葉っぱの上にさらにカモフラージュを施せば、出発の準備は完了である。 親達の緊張が伝わったのか、子供達も今日は口数が少ない。 しかし 昨日おなかいっぱいになり損ねた分、今日こそはいっぱいたけのこさんをむしゃむしゃしてやろうと、心は踊っていた。 親達はゆっくり餌場に移動しながら、昨日のことを話し合っていた。 「ねぇ まりさ 本当に大丈夫かしら? 昨日の事もあるし・・・ 今日は他の餌場でもいいんじゃないかな?」 「ゆぅ〜〜ん・・・ 」 「「おとーしゃん れいみゅはたけのこさんたべたいー」」 「「おかーしゃん まりしゃもたけのこしゃんむーしゃむーしゃしたいんだぜ!」」 「「ゆぅぅーーん・・」」 二匹の親ゆっくりは困ったような顔をしながらも、子供達の期待に満ち溢れた、キラキラした目に押される形で、昨日の竹林付近にまで歩みを進めていた。 そしてそこで、腰を屈めて、昨日彼女達が掘り出したたけのこを観察する人間に出くわしたのだった。 すぐさま、木の根元に身を隠した親まりさは、目配せで他のゆっくり達に静止をかけると、親れいむはすぐさま子供達の注意を舌で喚起し、近くの藪に誘導した。 臭い煙を吐きながら、たけのこをまじまじと見つめる姿を、藪の中からじっと見つめる子れいむと子まりさ達。 {しょれは おかーしゃんとおとーしゃんががんびゃってとってくれた とってもゆっくちできるたけのこしゃんなんだよ! ゆっくちかえしちぇね!!} そんな風に、ちいさいながらも憤りを覚えていた。 故に、その後に耳を打った本能を刺激する言葉に素直に、そして大きな声で反応してしまった。 「「「「ゆぅ? ゆっくちちちぇいっちぇね!!」」」」 「あぁ?」 その声に振り返る青年。 その目の前に、成体のゆっくりまりさが飛び出してきた。 「ゆっくりしていってね!!人間のおにいさん!」 この時のまりさは、半分以上死を覚悟している。 とにかく、人間の注意をそらすことのみに、考えを集中させていた、後ろにいる最愛の家族のために、ほんの少しでいい、注意を逸らす事が出来れば・・・! しかし、そんなまりさの想いを無視するかのように、青年は下衆な笑顔を浮かべて、まりさの背後の藪を長柄鎌で横なぎに払った。 間一髪で親れいむが子供達を体当たりで弾き飛ばしたおかげで、子供達は鎌の刃にかかる事は無かったが、れいむ自身は自慢の赤いリボンを巻き込みながら後頭部にザックリと鎌の刃の進入を許してしまっていた。 「ゆ”う”う”っう”−−!!」 「い”や”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ッッッ れ”い”ぶの”か”わ”い”い”お”り”ぼん”がぁぁぁ!!!」 「ははーッ ゆっくりじゃねえかよ こんな所で見つけるなんてツイてるぜ!」 青年はれいむが刺さったままの長柄鎌を手元に戻すと、ドンッと柄の部分の先端で地面を叩いた。 衝撃でれいむがゆっくりと鎌の刃からすべり落ちるように落下する。 と、地面に落ちる寸前で青年が軽くれいむに前蹴りを食らわせようとしたが、むなしく空を蹴った。 「れ” れ”い”む”ぅ”ぅ”ぅ” し”っ”か”り”し”て”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”」 大粒の涙をこぼしながら、まりさは一目散にれいむの元に跳ね寄り、傷口を舌で労わりはじめる。 子供達は体をぶるぶると震わしながら、呆然と眼前の光景を見やることしか出来なかった。 空振りの前蹴りでたたらを踏んだ青年は、悪態を付くと長柄鎌を少し持ち上げて、柄の先端を再び地面に向かって突き込んだ。 無防備にさらけ出されたれいむの後頭部に追撃の一撃を加えるつもりだ。 ジュブゥゥッ!! 最初の一撃で出来た傷口付近に叩きこまれた一撃は、空気を含んだようないやな音を立てて、れいむの後頭部にめり込んで行き、なおも力が加えられたため、完全に地面まで貫通してしまった。 青年はさらにひねりを加えながら、ゆっくりと柄に貫かれたれいむを持ち上げて、藪の近くで震える子供達の前に突き出した。 「で? これお父さん? お母さん?」 「や”べ”ろ”ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”!!! れ”い”む”を”は”な”せ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”!!!!」 まりさは子供達の方に跳ねていき、庇う様に青年に向き直ると、れいむを柄からなんとか引き抜こうと、奮闘し始めた。 「ねえ どっちなの? 答えてよ?」 「「ゆ”ぅ”ぅ” お”か”ぁ”し”ゃ”ぁ”ぁ”ぁ”ん” や”め”ち”ぇ”ぇ”ぇ” 」」 「こ”ん”な”の” ゆ”っ”く”し”で”き”な”い”ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”」 「に”ん”げ”ん”し”ゃ”ん” ひ”し”ょ”い”こ”ち”ょ”し”な”い”で”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”」 「ああ そう お母さんかー ありがとね 教えてくれて」 そう言いながら、青年は両の手で長柄鎌を持ち直して、ひどいことをしないでと懇願した赤れいむをそのまま突き刺した。 「し”ゅ”う”!?」 母親が刺さったままの鎌の柄に、ちょうど眉間の辺りを突き刺された赤れいむは、その勢いのまま腐葉土の地面に半ばめり込んだ。 青年が慎重に引き抜くと、親子れいむはちょうど向かい合う形で串刺しになっており、その姿をみた青年は「よかったね お母さんにキスしてもらえたよー」などとおどけた調子で言い放った。 「ゆ”ぅ”ぅ”ぅ” も”う”い”や”し”ゃ”ぁ”ぁ”ぁ”」 「た”し”ゅ”け”て”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ” お”と”ーし”ゃ”ぁ”ぁ”ぁ”ん”」 「お”か”ぁ”し”ゃ”ん”と”れ”い”む”を”た”し”ゅけ”て”あ”け”て”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”」 その場で絶望を表明するもの、父親に助けを請うもの、なおも他の家族を気遣うもの。 三者三様の反応であったが、共通しているのは、一匹もその場から動こうとしなかった事だ。 なまじ親が優秀すぎ、子供達が幼すぎたのが不運であったようで、三匹は恐怖のあまりその場から動けずにいたのだ。 このような時、とにかく分散して逃げてしまえば、この図体ばかり大きい愚鈍な人間からなら生きて逃げ延びる事が出来たかもしれないが、そのような判断が出来るほど成長してもおらず、危機的な状況に陥ったことが極端に少ない幸せだった赤ゆっくり達は、ただひたすらに恐怖を訴え、救いの手が頼れる父親から差し伸べられるのを待つしか出来なかった。 「お”ち”ひ”ち”ゃ”ん”た”ち”に”て”を”た”す”な”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!」 涙でぐちゃぐちゃになった顔面に光る二つの目には、未だ闘志が灯っていたまりさは、猛然と怒りに任せて青年の膝辺りにまで飛び上がって体当たりを敢行した。 通常のゆっくりには考えられないほどの大ジャンプであるが、地形の高低差を利用した、この優秀なまりさならではの、ひねりの効いた一撃だった。 山登りで足に疲労がたまっていた青年には、一定の効果が在り、無様にもヒザカックンの要領で、青年はバランスを崩してしまった。 「がッ! くそったれ! この腐れ饅頭がッ!!」 「おちびちゃんたち!今だぜ! ゆっくり逃げるんだぜ!!」 その一声で、我に返った赤ゆっくり達は、一斉に後ろの藪に飛び込み、そこから2方向に別れて別々に逃げようとした。 ーーーーーーが、藪と赤ゆっくり達の間に、母と姉妹の体を貫いた長柄鎌そのものが降って来た。 その衝撃に足踏みした赤ゆっくり達に、まず青年の右足が踏み込まれた。 踏み込まれた右足は、なおも地面を擦り上げ下敷きになった赤まりさをすり潰す。 次に振るわれたのはノコギリで、赤れいむの顔面をザックリと裂きながらめり込んで行き、彼女に与えた苦痛の量は、意識を失わせるのには十分なものだった。 最後に残った一匹を、青年は抱え上げると、木の枝に串刺しにし、親まりさに向き直った。 「クソッ 舐めた真似してくれたもんだな?」 青年はなおも右足を地面に擦りつけながら言うと、タバコに火を点けてこう言った。 「お前が俺に体当たりなんかしちゃうからだよ 全員殺しちゃう気なんかなかったんだぜ?」 まりさは答えない。 ただ目の前の光景が信じられなかった。 ついさっきまで生きていた最愛の家族の変わり果てた姿は、まりさから戦意を奪うには十分だった。 「ゆっ ゆ・・・」 その声は、青年のすぐ傍にある木から聞こえてきた。 弱弱しいながらも、生存を主張するその声の方向に向かって、まりさはフラフラと進みだす。 「おちびちゃん ゆっくり待っててね いま まりさが・・・・」 スコンッ! まりさの目の前で、枝に突き刺さった赤ゆっくりの体が両断された。 それから数十分後、伐採を終えたメンバーと合流した青年は何事も無かったように山を降りていった。 あのゆっくりの家族が暮らした竹林には、いま6体のゆっくりの死骸がある。 顔面から背面向けて大きな穴の開いた、物が2つ 顔面にノコギリの刃を受けた後、息があった為に、丁寧な輪切にされた物 木の枝に体を突き刺されたまま体を両断され、奇跡的に皮一枚で枝からぶら下がっている物 地面に黒いシミとしてしか名残を残さない物 そして、家族を守ろうとしてついに果たせずに終わり、その心が折れた物。 4本ほどのタバコの吸殻を体にめり込ませたまま、まりさはただただ焦点の合わない目で見続けた。 今は無い、幸せだった頃の家族の姿を。 このSSに感想を付ける
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「すっきりしたいわねぇ」 「もうすこしさがせばまりさがみつかるわよ」 「まりさはぁはぁ…」 「とかいはのてくをおしえてあげるわぁ」 …なんとまあ、うざいものを見てしまった。 森にちょっと狩りにでも行くかと思い、猟銃もってでかけた矢先に興奮したゆっくりありす達にあってしまった。 目ぇすわってるし、なんかはぁはぁ言ってるし、よだれたらしながらぶりょんぶりょん移動してるし。 数としては五匹ほど。それほど多くはないが普通のゆっくり一家は全滅するだろう。 このまま回れ右して見なかったことにすれば問題ない。 そう思いくるりと後ろを見たところでふとあることを思いついた。 「うふふふふ…」 「まりさぁ…」 「すっきりぃ…」 …問題はこれを実践するにはそこにいるレイパーありすを捕まえなくてはならんが 少し悩んだが結局俺はありす達に近づくと持っていた籠に全部放り込み加工所へと向かった。 「とまあこういうことをやってみたらどうかと思ったんだが」 「ふむ…なかなかよさそうだね。早速ありす担当を呼んでみるよ」 ここは加工所。まあゆっくりを人間に役立つよう加工するところだ。 だいたいのゆっくりは養殖されて加工し甘味物になっている。 さすがに野生のゆっくりは何を食べてるかわからないので食料にはならないが、それ以外の生活用品にはなる。 具体的にはつぶして肥料とか飾りを加工して雑巾とかだ。そのため野生のゆっくりを引き取ってくれるという一面がある。 ちなみに俺がさっきまで話してたのはここに働く友人。結構いいやつだ。 その性格からか他の村の人と交渉役をやっている。 「さっさとここからだしてね!!」 「ここはえれがんとじゃないわ!!もっととかいはにふさわしいばしょをじゅんびしなさい!!」 「ついでにおいしいものもね!!」 「まりさもいればとってもりっぱよ!!」 「そこまでするならとかいはありすのじゅうしゃとみとめてあげるわ!!」 そして俺が捕まえたありすは近くのオリに入ってる。さっきから叫んでてうざい。 とりあえず無視だ。ゆっくりを相手にしたってキリがない しばらく待つと友人が何人か連れてやってきた。たぶんあれがありす担当だろう 簡単に挨拶をすませると早速返事を聞いてみた。 「なかなか面白そうな企画だと思います。やってみましょう」 これが向こうの返事。結構ノリノリでした。 俺は担当と握手をすると早速捕まえたありすを渡した。 後はしばらくの間待てば結果が出てくるだろう 一週間後… 「で、これがその駆除ありすか」 「そう、君が考えたゆっくり駆除ありす」 「なんというか…きもいな」 「僕もそう思うよ」 加工所のとある一室で会話する俺と友人。 俺達が見ているのは以前より少し大きくなった一匹のゆっくりありすだった。 しかしその顔は以前より相当醜い。こんな人間を見かけたら例え何もやってなくても捕まえたほうがいいだろう。そんな顔だ。 まず目があっちこっちをぐるぐると動きながら見ている。左右別々だ。しかもそれがかなりの速さである。 口からはよだれがだらだら流れているし、興奮が抑えられずはぁはぁどころかゼヒアーって感じの呼吸音である 確か呼吸困難に陥ったらこんな感じの音がするはず。 そして下あご辺り。すでにぺにぺにが臨戦態勢だ。即座にその辺のゆっくりを犯すことができるだろう。 わかりやすく言えばありすのレイパーとも言うべき側面を前面に押し出したような生き物である。 「で、これは役に立つのか?」 「発案したのは君だろうに…一応実験は成功したよ。あとは野に放つだけだ」 「成功しそうな顔はしてるな…うん、とりあえずやってみてくれ」 俺は友人とともに外にでてしばらく歩く。その間駆除ありすは箱に入れられたがその間ずっと興奮しっぱなしだった。 呼吸困難な音が聞こえてきて、歩いてる間あまりいい気分ではなかった。うーむ便利なものが完成したのになぁ 「こいつってしゃべれるのか?」 「いや、残念ながらそれは無理らしい。すっきりすることしか考えられなくて周りの声は聞こえないらしいよ」 「うーむ」 道具として考えるなら問題ないがここまで非情な存在もないかもしれない。 「これが駆除ありすの大体の内容。ほとんど君の希望通りになったよ。少し担当が使いやすいよういじったけど」 「へぇ…」 友人から渡された書類をめくる。それはこのゆっくり駆除ありすの説明書だった。 とりあえずざっと読んで簡単に説明するとこうだ。 ゆっくりは小さいときにすっきりすると子供に餡子を吸われて死んでしまう。 そして成体のゆっくりも一度にあまりにも多くの子供を作ると餡子の吸われすぎでやはり死んでしまう。 この性質を利用したのがこのゆっくり駆除ありすだ。 このゆっくり駆除ありすは他のゆっくりよりも強い性欲を持つゆっくりありすの本能を強化したものである。 具体的にはとかいは(笑)の理性の部分のカスタードを捨て、他のありすの性欲の部分を移植している。 そのため野生のありすより数段性欲が強く、常に発情期となっている。 また性行為に関する体の部分も小麦粉で強化されており、すっきりを百回繰り返しても問題ないほどだ。 そして普通のゆっくりより人間で言う精子を大量に放出する。 この結果どうなるか。 このゆっくり駆除ありすに襲われたゆっくりはすっきりさせられて死んでしまうわけである。 加工所からある程度はなれると、ゆっくりの家族を発見する。 れいむとまりさのありがちなゆっくり一家だ。全部で十匹くらい。 二匹が親で残りが子供。ためしにやるにはちょうどいいだろう 「いい相手がいるね。早速離してみようか」 「ああ、頼む」 友人が箱の中にいた駆除ありすを解放した。 箱から出されたありすは近くを目だけですばやく確認すると、ゆっくりとは思えない速さでゆっくり一家の方に向かう。 「ゆ?ゆっくりし…」 「あああああすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきり!!!」 「ゆぎゃあああぁぁぁぁ!!!!」 あっという間に近くにいた子まりさがすっきりさせられて黒ずんで死んだ。 「すげぇ早いな」 「常に興奮しててすっきりする直前みたいになってるらしいよ」 こんなに早いと男としてどうだろうという気がするがゆっくりだからいいか。 「すっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきり!!!」 「ぴぎゃぁ!!!」 会話している間に二匹目の子まりさが死んだ。 「ゆげぇ!!!ありすう!!!」 「みんなありすはゆっくりできないよ!!はやくおかーさんのくちのなかにはいってね!!」 「きょわいよー!!!」 「たちゅけてー!!!!」 異変にようやく気づいたゆっくりれいむとまりさが慌てて逃げ出そうとするが。 「すっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきり!!!」 「ゆぎょぉおおおお!!!」 三匹目の子れいむが犯されてすぐに黒ずんでいく 「ま、まりさはにげるんだぜ!!すっきりするなられいむですっきりするんだぜ!!」 「どうじでぞんなごどいうのおおおお!!!!」 「ありすにすっきりさせられたらゆっくりできないんだぜ!!まりさはもっとゆっくりしたいんだぜ!!」 親まりさは早速裏切って逃げ始めた。れいむはその後を追いたいが子供達がまだ全部入っていない。 だがここでありすが不思議な行動をとる。 「なんでこっちくるんだぜぇぇぇぇ!!!!」 「ばでぃざああああああああ!!!!!!」 れいむを無視して一気にまりさのほうへ走り出したのだ。 まりさもそこそこ足が速いが、強化されたありすはすぐに追いついて押し倒してしまった。 「すっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきりすっきり!!!」 「なんでなんだぜええええええええ!!!!!」 大量の茎を生やしてあっという間にまりさは黒ずんでしまった。 成体なので子供が出来るかと思ったが、頭に異様なくらいびっしり生えた茎には小さい実のようなものがせいぜいであった。 あれでは子供にはどうあがいてもならないだろう。 「頭にびっしり茎が生えたゆっくりってキモイな」 「あはは…」 その光景を見て思わずもれる感想。友人も苦笑いだ。 「相手が成体でも子供ができないんだな」 「計算上だと大体六十~七十ぐらい生えるらしいよ。それだけ多いとよっぽど大きくないかぎり子供もできないとか」 「駆除をするという点では優秀だな」 やってる行為は子供を増やすはずなのに目的は駆除。これだけ矛盾に満ちてるのもある意味すごい。 「れいむをおいていったからだよ!!そんなひどいまりさはゆっくりしんでね!!」 「ゆっくちちんでね!!」 「くるちんでちんでね!!」 黒ずんだまりさに罵倒する残った一家。そんなことしてる暇があるなら逃げりゃいいのに。 「ひゃああああ、すっきりだぁ!!!」 「なんでこっちくるのおおおおお!!」 「こっちこにゃいでねえええ!!!」 「そきょでゆっくちちてねええええ!!!!」 残る一家に襲い掛かるありす。 それほど時間もかからずゆっくり一家は全滅した。 「とまあこういう結果になったよ」 「うーむ、すごいものをみてしまった」 黒ずんでいた死体を食べる駆除ありすを回収する友人。まだ試作品なので野生に解き放つわけにはいかないそうだ。 だがいずれは一定量生産して駆除ありす部隊なるものを作る予定らしい。 このありすで部隊を作って襲わせればうまくいけば群れどころかドスも駆除できるそうだ。 うまくいけば野生のゆっくりを壊滅させることもできるかもしれない まさか同族によってゆっくりできなくなるとは饅頭どもも思うまい ゆっくりの未来はまっくらなようだ。…もともとそうか ~~~~~~~ ノリと勢いで書いたが結構ありかもしれんな、これ そういやゆっくり人形が作られるそうだがマジだろうか たぶんネタ商品だと思うが…だよね?ブームにならんよね? 過去作品 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 ゆっくり埋め どすまりさの失敗 原点 このSSに感想を付ける
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仕事からの帰り道。寒さが襲いかかる夜。 俺は我が家へと帰宅すると、玄関前に5つの影があった。 そのうち2つは最近家に住み始めたまりさとれいむ。残りの見慣れないゆっくりは・・・ふらんかな? 家族連れの胴体無しとは珍しい。ここら辺では見ない種類だ。 「うー! うー!」 激しい形相でまりさとじゃれ合ってる。まりさの頭に噛みつきブルンブルンと振りまわすその姿は実に楽しそうだ。 まりさの方も涙目で 「いぎゃああああああああああ!!!! はなじでふらんんんんんん!!!!」 れいむの方は子供たちにガシガシ噛みつかれている。 「あぎゃああああ!!!! でいぶのぽんぽんがああああああああ!!!!」 俺はそのフレンドリーな光景が羨ましかった。 「お前ら楽しそうだな・・・こっちは残業で疲れてるのに。」 「このじょうきょうでばがじゃないのおおおおおおお!!!! ばや゛ぐでいぶだぢをだづけでえええええ!!!!!」 「ぼうじがどれるうううううううう!!!!」 夜中に騒ぐとは感心しませんな。最近のゆっくりはやんちゃで困る。 とりあえず親っぽいふらんの方を全力で蹴り飛ばす。流石のふらんも蹴りには耐えられないのか、 ドアに叩きつけられた。牙が刺さったままのまりさと一緒に。 「ゆべえ・・・もうどうでもいいからはやくたすけて・・・」 OKOK。まずはれいむに噛みついてる子ゆっくりを蹴り飛ばしつつ、まりさの頭から牙を抜いた。 このまま帰るのならば見逃すのだが、ふらん達はこちらに向けて「うううう・・・」 と明らかに殺意を抱きながら唸っている。まあ殺さない程度にやろうか。 「うーーーー!」 飛びかかってきた親ふらんを右の振り下ろしで叩きつける。そのまま持っていた傘で貫いた。 「ううう!!!!」 苦しんでいるふらんに追い打ちをかける。刺さって身動きの取れないふらんの顔面に蹴りをいれた。 「ううっ!」 思いっきり顔が凹んだふらん。歯を折れたのか口からボロボロと落ちた。 そしてそのまま動かなくなった。・・・大丈夫。まだ息してるから。傘を外せば帰るだろう。 れてるし。早く寝よう。 さて家へ・・・まだ子供が残って 「ほらとっとと家に入るぞ。ていうかなんでお前ら外に出てるんだ?」 「おにーさんがひるごはんはじぶんでとってこいっていうからでしょ! おうちにはいれなくてこまってたんだよ!」 「ゆっくりあやまってね! しゃざいとばいしょうをせいきゅうするよ!」 あーもういいや。今日は疲れたから。後は子ふらんの始末をどうするかだな。 可哀想だがれいむの口の中に入れてあげた。まあ美味しく頂いてねれいむ。 「あがあああああああ!!! でいぶのおくちのなかがむしゃむしゃされてるううううううう!!!!」 「でいぶうううううううう!!!」 俺が風呂から上がり、居間に行くと二人がテレビを見ていた。珍しく真剣な目である。 「んー? ゆっくり虐待ドラマでも見てるのか?」 「そんなひどいことするのはおにーさんだけだよ! ほかのひとたちはきっとやさしいよ!」 「ならばこのネットで見つけた秘蔵の虐待ムービーを・・・」 「それよりおにーさん! ゆっくりこれをみてね!」 どれどれ。ってニュースか。えー何々ゆっくりの群れが権利を訴えてデモ行進・・・な、なんだってー! 「このぱちゅりーはすごくゆっくりしたゆっくりなんだよ!」 確かに・・・テレビに映っているゆっくり達は皆凛々しそうだ。特にリーダーっぽいぱちゅりーの答弁は 一応ちゃんとしてるような気がする。 「ひととおなじようにかんがえ、しゃべれるゆっくりにもけんりがあたえられるはずだわ!」 「そうだよ! じぶんよりよわいものをいじめるなんてさいていだよ!」 「ゆっくりだってるーるやほうりつがりかいできるんだぜ!」 「ぎむをはたさせてすらあげないなんて、とかいはのすることじゃないわよ!」 「チーンポ!」 「でもかつどうなんだねーわかるよー」 「ゆっくりたちにゆっくりぷれいすを! ぱちゅりーたちはたたかいつづけるわ!」 なるほど、ゆっくりにもデモクラシーの時代が来たか。まあここまで頭がいいのは おそらく捨てられた元飼いゆっくりだからだろう。 「ゆっくりのみらいについてかんがえるなんてすてきだよ!」 「ぱちゅりーたちがいればゆっくりのみらいはあんたいだね!」 こいつらも気がつけば語彙が増えてきたな・・・・ 「まあいいや。じゃがりこ食べる?」 「ゆ~♪ たべるたべる!」 「ゆっくりたべるよ! むーしゃ!むーしゃ!しあわげぇ!」 むしゃむしゃしていたれいむの頭に踵を乗せて、俺は仰向けになった。 「あーそういや。明後日からあの地域に出張なんだが、なんなら会いに行く?あのぱちゅりーに。」 「ゆゆ! ゆっくりあいにいくよ! だからはやくれいむからどけてね!」 「ゆゆゆゆ・・・・ゆっくりじだいよお・・・・」 そんな訳で到着いたしました。 とりあえず二人をホテルに預けて仕事をこなし、時間が取れた最終日にぱちゅりーたちに会いに行くことにした。 とある公園の一角。なにやらマスコミと警察と加工所の職員らしき人達でごった返していた。 人ごみに近づいてみると、なんとぱちゅりー達は空き缶拾いをしていた。 「ゆーしょ! ゆーしょ! あるみはこっちだね!」 「ゆっくりなげるよ!」 数匹がかりで缶を運び、どこから持ってきたのかゴミ袋に入れているようだ。 「ゆゆ! ゆっくりはたらいてるね!」 「でもれいむたちははたらかなくていいよね! かわいいからいいよねおにーさん!」 「今日の夕飯は饅頭かな・・・」 「「ゆっぐじお゛でづだいじまずがらゆるじでえ゛え゛え゛!!!!!」」 「むきゅん! どなたかしら!」 三人で騒いでいると、どこからか例のぱちゅりーがやってきた。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「ゆっくりしていってね!!!」 「だが断る。」 「おにさーんはだまっててね!」 はいはい黙ってますよ。ゆっくりはゆっくり同士。俺は人間と話すさ。 「ぱちゅりーはすごいゆっくりだね! ゆっくりのみらいのためにこうどうするなんて!」 「れいむたちもゆっくりおうえんしてるよ!」 「むきゅん! ぱちゅりーたちのうったえがとおれば! ふとうにいじめられるゆっくりはいなくなるわ!」 「すうこうなもくてきのためにがんばるんだねー。わかるよー」 「ゆっくりにもせんきょけんを! ゆっくりにもじんけんを!」 「ゆっくりのゆっくりによるゆっくりのためのとかいはなせいじがひつようだわ!」 中々盛り上がってるじゃないか。俺は近くの暇そうな加工所の職員を捕まえて疑問に思ってた事を聞いてみた。 「てっきり駆除とかされてると思ったんですが、やらないんですか?」 「って言いましてもねえ~。マスコミが大々的に放送してますし。強制的な手段に訴えるのはちょっとねえ・・・ それに捕まえる口実がないんですわ。あいつら元飼いゆっくりなんで上手く生きてるみたいで・・・」 成程成程。確かに口実が無ければ流石にゆっくりと言えど捕まえるのは難しいだろう。 「むきゅん! あなたがあのまりさとれいむのおにーさんね!」 なんか血縁関係みたいな言い方だな。まあ突っ込むのはメンドイからいいや。 「うんそうだよ。どうしたの?」 「まりさとれいむにひどいことしないでもらいたいわ! しょうがいざいよ!」 チクられたか。遠くであの二人がニヤニヤしながらこちらを見ている。 「「おお、ぶざまぶざま」」 「いやあれはどうかんがえてもスキンシップだね。」 「うそつきは、うさぎのはじまりだわ!」 「あーあーキコエナイキコエナイ!」 「ゆっくりもにんげんとおなじようにあつかうべきだわ!」 う~ん。全く真実なのでこちらが不利。しかし口喧嘩で負けるのは誰相手でも悔しい。 何か会心の一手は・・・・ん? 「なあぱちゅりー? 人間と同じく扱えって事は、当然刑罰も受けるんだよな?」 「むきゅん! わるいことをしたならばしかたないわね! でもぱちゅりーたちはわるいことなんてなにもしてないわ。」 「あいよ。んじゃ許可取った?」 「む?」 「いや『む?』ではなくてですね。デモ活動には許可が必要なのではないかと思うのですが。しかも公共の場所だし。」 「む・・・むきゅん! な・・・なにいってるのおにーさん! きょかなんてそんな・・・」 「ついでに逮捕されるんじゃないか?無許可だと。」 1分ほど公園は静寂で包まれた。そして誰かの声で静寂は破られた。 「青島・・・確保ォオオオオオオ!!!!!」 加工所の職員は一斉に動き出した。 ジャージの軍団は馴れた手つきでゆっくり達を次々と袋の中に入れていく。 「ぐらいよおおおおおおおおお!!!! ごごがらだぢじでええええええええ!!!!」 「でいぶぼういやああああああああ!!!! おうぢがえるうううううううううう!!!」 「ゆるじでぐだざいおねえざあああああああん!!! ありずははんぜいじでばずうううううう!!!!」 一部トラウマのスイッチが入ったゆっくりも居るようだ。可哀想に。 ついでにぱちゅりーはと言うと。 「主犯のぱちゅりー容疑者緊急逮捕いたしました! 今から連行します!」 「むきゅん! これはふとうたいほよ! べんごしをようきゅうするわ!」 「どうなってるんだぜぱちゅりー! どうしてまりさたちがつかまってるんだぜ!」 「ひもでしばるなんて・・・そんなとかいはなぷれい・・・もえあがるわ!」 こうしてぱちゅりー他幹部たちはパトカーで連行されていった。 他のゆっくりは加工所に連れていかれるようだ。 「だまじだなぱぢゅりいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「ゆっぐじじね! ゆっぐじじね! ゆっぐじじねえええ!!!!」 「がごうじょはいやですうううううううううう!!!! ゆるじでぐだざいいいいいいいいい!!!!」 こうして一つの活動家たちの熱き戦いは終わった。政府という大きすぎる壁に挑んだ彼らは皆散っていった。 しかし彼らの意思は受け継がれていくだろう・・・私はそう願いたい。 「おにーさんのせいだよ! ゆっくりはんせいしてね!」 「ゆっくりはんせいしてね!」 なんか怒られてる俺。仕方がないので今日の夕飯はしゃぶしゃぶにしてあげよう。 久しぶりの我が家に戻った俺はニュースを見ていた。 「今日未明、無許可のデモ活動で逮捕されたぱちゅりー容疑者は、調べに対し、『にんげんによるじんけんしんがいだわ! かっこくに、このひどうなこういがしれわたるのをねがってるわ!』などと答えており、容疑に関しては全面否認しております。 なお他のゆっくりに関しては全匹加工所に送られたとのことです。」 大変だね。ホント。 俺は肉を箸で掴むと、鍋の中にすうっと通した。あまりお湯につけないのが俺の好みだった。 「あぎゃいよ! そしておにくをゆっくりたべさせてねおにーさあづいッ!」 鍋の中にすっぽりと入っているれいむが何か言っているが気にしない。しかし鍋を風呂代わりとは失礼な奴だ。 「まりさ。このお肉美味いか?」 隣でキチンと座っているまりさに肉を食べさせてあげた。 「むーしゃ♪ むーしゃ♪! しあわせー♪ ありがとうおにーさん!」 「いいがらだづけでよねばりざ! でいぶおごあづぃ!」 だから喋ると口の中にお湯が入るとあれほど言ってないねそうえば。 「このまえみすてたれいむは、ゆっくりおゆにつかってね!!!」 「だっであればおにーざんがついッ!」 「あーそろそろまりさの番かな」 「ゆ! なにいってるのおにーさん! ゆっくりやめてね! おててをちかづけないでね!」 【あとがき】 まあ虐スレだし。こんなオチになりますね。 by バスケの人 このSSに感想を付ける
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前 カラン、という音が手術室に響いた。 それは先ほど先生が見せてくれた、太い鉄の棒を置いた音。 先端は尖っており、まるで槍のようだ。 槍は成まりさの目の前に、見せ付けるように置かれている。 傷つけるための道具、成まりさはそう判断したのだろう、必死で体を揺すった。 「やめてね!!はやくおウチに返してね!!おにいさんにいいつけるよ!!」 しかし、底部に鉄製の皿が張り付いているせいで全く動けない。 「まず、植物型出産の機能を破壊しますよ」 先生は成まりさの言葉など聞こえてないかのように、俺に言う。 「はい」 「では、帽子を取ってもらえますか」 言われたとおり、俺は成まりさの帽子を取ろうとした。 すると、成まりさの目が輝く。何かに気がついたようだ。 「ゆ!そこのおじさん達!まりさのバッヂを見てね!ゆっくりりかいしてね!!」 成まりさの帽子を見ると、コーヒーコースターほどの大きさの赤いバッヂが張ってあった。 帽子に巻かれた白いリボンの隣にあったため、よく目立つ。 これはペットショップなどで売っている、飼いゆっくり証明バッヂだ。 飼いゆっくりが逃亡したり、遊んでいて迷子になった時のために付けるものである。 バッヂの裏には飼い主の住所や名前などが書いてあるので、迷子になっても安心だ。 そして、飼いゆっくりを虐待してはいけないというルールがある。 ルールを守って楽しく虐待。 それが虐待お兄さんに共通する約束事だ。 もちろん俺もそれを守っている。 そのことをこの成まりさは知っていたのだろう。 飼いゆっくりである自分を痛めつけてはいけない、と主張しているのだ。 「バッヂって何?何もついてないよ?」 「ゆ!?うそを言わないでね!!」 帽子のつばが邪魔で成まりさにはバッヂは見えない。 俺は帽子を取り上げ、バッヂを成まりさから見えない位置に隠した。 「ほら、これはまりさの帽子でしょ?どこにバッヂがあるの?」 成まりさの眼前に突きつけられた帽子にバッヂは無い。 「ゆ・・?!?うそだよ!!まりさはバッヂつきだよ!!」 信じられない、という目で帽子を見つめるがそれは確かに自分の帽子。 おろおろとする成まりさを相手にすることをやめ、俺は帽子を少し離れたところに置いた。 「ま、まりさのぼうし!!かえしてぇっ!!!」 顔だけ帽子に向かって倒れ掛かるが、固定された底部が邪魔をして動けない。 「顔、押さえてください」 「はい」 乗り出していた成まりさの顔を掴む。 柔らかい。 若干発汗していたが、もちもちとしながらも張りのある皮。 内部の餡子の熱が皮越しに伝わって、ほんのりと温かい。 指を滑らせても、抵抗が感じられないほど滑々としていた。 優しい飼い主に、心行くまでゆっくりさせてもらった証拠だ。 「やめてね!!!ちかづけないでね!!」 そんな素敵な皮に近づくのは、先生の右手に握られた槍。 左手は品定めでもするかのように、成まりさの髪の生え際をなぞっている。 「ここですね」 先生が指で、髪の生え際の中心近くを軽く二度三度叩く。 おそらく、そこに槍を突っ込むのだろう。 「じゃあ、しっかり押さえておきます」 「よろしくお願いします」 「ゆぅぁっ!やめてっ!!!」 頭を回転させて逃げようとするが、人間の力に勝てるはずもない。 無駄な抵抗とはまさにこのことだろう。 「こわいよ!!!刺さないでね!!!やめてね!!」 「はーい、ちょっと痛いけど我慢してねー」 注射でもするかのような声とともに、先生は思い切り成まりさに槍を突き刺した。 「ゆっびゅぉおおっぉぉっ!?!?!?」 尖った部分は全て内部に入り込み、外に露出しているのは太い部分だけだ。 突き抜けてはいないが、かなり深く入り込んでいることが分かる。 その証拠に、顔を掴む俺の手に、ぬるぬるとした汗のようなものが溢れてきている。 目は血走り、涙が溢れ始めていた。 「いぢぃあ゙ああ゙ああ゙いよぉぉおっ!!!おにいざあんだずげでぇ゙ええ゙え゙ぇえ゙え゙っ!!!!」 一瞬、俺や先生に対して命乞いをしているのかと思った。 だが、その目はあらぬ方向に向いており、話しかけるような口調ではない。 これは、飼い主である兄さんに向けたメッセージなのだろう。 成まりさが絶大な信頼を寄せるお兄さん。 きっと、今までこんな痛い目に会わせることなどしなかったはずだ。 目の前の敵に助けを求めず、どこにいるかも分からないお兄さんを頼っている。 随分信頼されているじゃないか。 思わず成まりさを握る手に力が入る。 「お゙に゙いざあ゙あああ゙ああぁあ゙あああ゙あぁ゙ぁぁぁああああっ!!!!!」 もう、棒から先生の手は離されている。 これ以上押し込まれることも引き抜かれることもないのだが、やはり痛いものは痛いらしい。 成まりさは先生は既に新しい道具を手に取っていることにも気が付いていないようだ。 「少し熱いけど我慢しようね」 真っ赤に染まった炭が、箸に挟まれていた。 先生の足元を見ると、いつの間に用意したのか火鉢が置いてある。 「ゆうぁああ゙あ!!ぼうやべでええっ!!!」 よく熱せられた炭であったため、空気を伝わってその熱気が伝わってくる。 平和ボケした成まりさでもその恐ろしさは理解できたようだ。 先生は槍の露出した部分の先端を回し、蓋を外した。 どうやらこの槍、中は空洞だったらしい。 「はい、入れますよ」 カラン、という音を鳴らして槍の奥へと流れていく炭。 もちろんその奥とは尖った先端部分、成まりさの餡子に埋まっている部分だ。 熱も伝わらなかったせいか、最初は反応しなかった。 だが、5個目の炭を入れる頃には熱が成まりさを攻撃し始めていた。 「あっぢゅぃい゙いい゙ぃぃい゙!!!あ゙りざのなががあづいよぉお!?!?」 粘液に代わって汗が俺の手に大量に垂れ始めてきた。 呼吸が荒くなり、手術台の上は成まりさの汗と粘液と汗で水溜りができている。 「ではこのまま10分ほど待ちましょう」 成まりさにとって、人生で最も長い10分間が始まった。 「お゙ぎぃぃい゙い゙いい゙ぃいいいぃぃぃいっ!!!!!!!!」 「そろそろいいですね」 10分間、成まりさは悲鳴を上げ続けた。 愛好家が聞いたら同じような悲鳴を上げただろうが、俺にとっては最高のミュージックでしかない。 息も絶え絶えになりながら、それでも声を上げる姿は芸術と言ってもいいだろう。 おにいさん、おにいさん、と何度助けを求めただろう。 「抜きますから、しっかり押さえててくださいね」 「はい」 先生が鉄製のハサミのようなもので炭と同じくらい熱くなった鉄の槍を掴む。 それをゆっくりと引っ張ると、また激痛が走るのか成まりさは歪んだ顔をさらに歪めた。 「ぼおおぉお゙ぉおっ!!!!お゙にいぃ゙い゙いざああ゙あ゙ああ゙あっ!!!」 抜き終わった槍を傍らに置き、先生は槍が刺さっていた穴を観察している。 「これを見てください」 指差されたのは、槍で開いた穴。 俺は成まりさの正面に回り、穴を覗いた。 「うわ、槍の形そのまんまですね」 その穴は、槍の形を綺麗に保っていた。 普通、穴を開けても餡子が塞いでしまうものだ。 「中まで綺麗に槍の跡が残ってますね」 「熱で固まっているんだよ」 奥は暗くてよく見えないが、見事な洞窟が誕生していた。 槍の触れていた部分が焦げてしまったのだ。 「圧力で押しつぶされないよう、餡子を入れて完成です」 先生の手に握られたビンには、餡子が入っていた。 それを成まりさ洞窟に流し込む。 「・・・」 いつの間にやら、成まりさは泡を吹いて気絶していた。 「鬼井君、ちょっとそこにある箱を取ってくれないか。どっちでもいいから」 「はい」 入り口近くに箱が2つ積んである。 俺の掌くらいの大きさの正方形。 上に乗った箱には「加工所から購入 子れいむ 〇月×日」と書かれた手書きの紙が張ってあった。 「先生、どうぞ」 「ああ、箱開けてくれますか」 差し出した手を戻し、箱を開けることにする。 包装はしてなかったので、すぐに開けることができた。 「ゅぅ・・・ゆぅ・・・」 箱に入っていたのは、紙にあった通り子れいむであった。 ソフトボールサイズの子れいむが窮屈そうに眠っている。 「それを逆さま、底部を私に向けて差し出してください」 どうすればいいのか困惑する俺に、先生は道具箱を漁りながら言った。 何をするのか分からないが、とりあえず言うとおりにしておけば問題ないだろう。 箱から引っ張り出し、底部を先生に向けた。 「ゅう・・・?」 掴まれたことと、逆さまにされたことで目が覚めたのだろう。 子れいむが妙な声を上げる。 「逃げないようしっかり押さえててください」 先生の手にはメスが握られていた。 俺は子れいむを潰さないよう気をつけながら、力を込めた。 「ゆゔっ!!??」 まだ完全に目が覚めていない子れいむの底部にメスが入る。 痛みで眠気が飛んだのか、手に子れいむの力を感じた。 「ゆぎぎいい!!いぢゃいよおおっ!!!おがあざあんん!!!」 そのままメスは、子れいむの底部で円を描く。 先生が左手に握られたピンセットで円の中心を摘むと、綺麗に皮が剥がれた。 子れいむの餡子が剥き出しになる。 「ゆぎゅ゙うゔゔぅぅっ!!!!?」 子れいむが底部が無くなった痛みに苦しんでいる。 眠っていて起きたら底部がないのだ。 ワケがわからないだろう。 だが俺はその理由がわかった。 「その皮を移植するんですね」 「ご名答」 その皮を成まりさに開いた穴に貼り付けながら、先生は続ける。 「子ゆっくりの皮が一番移植に適しているんですよ。やわらかくて、若々しくて」 「この子れいむはどうします?」 「もう使い物にならないので、ゴミ箱に捨ててください」 「ゆぎゅ!やべでね!!れいぶをずでないでね!!!」 底部の無くなった子れいむが必死に助けを求めるが、興味が湧かないのでゴミ箱に投げ捨てた。 きっと加工所職員に家族単位で捕獲された野生のゆっくりだろう。 実験体として生かされるよりマシだろうから、少しは感謝してほしいものだ。 ゴミ箱の中から悲鳴や泣き声は聞こえなかった。 底部が無いので、投げられた衝撃で餡子が全て漏れて死んだのだろう。 「こちらの処置は終わったので、次は胎生型妊娠の機能の破壊をします」 「方法は植物型と同じですよね?」 「はい。同じことの繰り返しです。今は気絶してますけど、すぐ目が覚めるでしょうから、頑張りましょう」 俺はぬるぬるとした成まりさの体を掴み、腹(?)をさらけ出すように先生に向けた。 「ふう、これで終わりです」 ピンセットを金属製のトレーに投げ込み、先生は椅子に座った。 俺の手には、移植用に使われた子まりさがいる。 子れいむ同様、底部が切り取られて使い道がなくなったので、ゴミ箱に投げ捨てた。 「なんだか楽しそうだね、鬼井君」 「え、そうですか?」 自分の顔が緩んでにやけていたようだ。 それほど、あの成まりさの悲鳴は素晴らしかったのだ。 あの成まりさは、胎生型出産を知っていた。 『やめ゙て!!!あ゙かちゃんをうべなくなっぢゃうよ゙ぉっ!!』 『あ゙り゙ざのがわ゙いい゙あがぢゃ゙ん゙をおにいざんに見せられなくなっ゙ちゃゔぅぅゔゔ!!』 『ま゙り゙さのがわいいあがぢゃんがああぁぁああ゙ぁぁ!!!』 『あがぢゃん・・・あがぢゃんがああぁぁ・・・・』 『おに゙いざんごべんなざい・・・ごべんなざい・・・』 『ま゙りざ、もうあがぢゃんうべだい・・・おびいざん゙・・・・ごめべねええぇぇ・・・』 熱で気絶するその瞬間まで、成まりさは飼い主のお兄さんに謝罪を繰り返していた。 自分をゆっくりさせてくれた大好きなお兄さんに、自分の赤ちゃんを見せたい。 そんな思いがひしひしと伝わってきた。 ゆっくりは恩返しができないため、感謝の意を表すために自身の子を見せることがあると本で読んだことがある。 可愛い赤ちゃんを見せたらその人はゆっくりできる、と思うらしい。 この成まりさも、きっと自分の赤ちゃんを見せたかったに違いない。 だから、涙でふやけた皮を見ていると、顔が緩んで仕方が無いのだ。 腹に貼り付けられた移植の皮を見ていると笑いが込み上げてくるのだ。 やはり、出産は母体になってこそだろう。 「ところで鬼井君、間違っていたら本当に申し訳ないんだが・・・」 「はい?なんですか?」 どうにか真面目な顔を作って、先生の方を向いた。 「もしかして、虐待お兄さんだったりするかな?」 「・・・!」 俺は虐待お兄さんであることを隠していたつもりだった。 しかし、やはり本職の人間にはバレてしまうものなのだろうか。 一瞬、あぅえ、みたいな変な声が出たが、俺は覚悟を決めた。 「・・・はい。俺は虐待お兄さんです」 「やはりそうか・・・」 このバイトもおしまいだ、俺はそう思った。 こんな愛好者のための施設に、俺のような虐待お兄さんが勤められるはずがない。 「そうか、そうか・・・」 「黙っていてすみません」 「いや何、気にすることはないよ」 先生は顔を手で押さえながら、泣いているような、笑っているようなしぐさをしていた。 そうしていながら、目だけは俺をじっと見据えている。 「実は私も虐待お兄さんでね」 俺は耳を疑った。 「えぇ!?」 「驚くことはない」 手を顎に当て、先生は顔に笑みを浮かべている。 「昔から、私は人に可愛がられているゆっくりをいじめたくてね。でも駄目だった。私は真面目すぎたんだ・・・」 そう、人に飼われているゆっくりは虐待してはならない。 「ルールを守って楽しく虐待・・・」 「その通り」 一度手を鳴らし、先生は俺に手を差し出した。 同じ趣向を持つものを、心から歓迎してくれているのだ。 「だからルールを守って痛めつける方法を探したんだ。それがこのゆっくりにっくだよ」 「先生っ・・・!」 差し出された手を、俺は強く握った。 いままで何人もの虐待お兄さんを見てきたが、まさか加工所以外で虐待を仕事に持ち込む人がいるなんて。 俺は素直に感動していた。 そして、こんな素晴らしい先輩に出会えたことに感謝をした。 「鬼井君の行動や言葉から、虐待お兄さんのニオイがしたんだが、聞いて正解だったよ」 「え・・・?そんなにバレバレでした?」 ふふ、と先生が笑った。 「同じ虐待お兄さんだからね。要所要所で同類の臭いを感じたよ」 俺は上手くごまかせていると思ったのだが、そんなことは無かったようだ。 同じ虐待お兄さんの俺は、全然気が付かなかったというのに。 「ま、鬼井君もだいぶゆっくりの体で遊んでいるみたいだから、こちらとしても助かるよ。助手、これからもよろしく頼むよ」 「ええ、まかせてください」 俺は拳で胸を叩いた。 作:アルコールランプ? このSSに感想を付ける
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ゆっくりいじめ系575 ゆっくり大戦(YW) の設定を勝手に使ってます。 この作品は、基本的にゆっくり国防軍兵士の一人称視点です。 超短いです。 鍵かっこが付いてないのはこのゆっくり国防軍兵士の心の声です。 いつからだろう。こんな事になったのは。 元はと言えば全部あいつのせいだ。 あいつが戦争なんて始めるからいけないのだ。 何が、「祖国のために血を流せ!」だ! 私には、愛するまりさが残ってるというのに。 かわいいかわいい子供だっているのに… まだ仕事も残ってるし、作物の収穫も終わってなかったのに…! 「おいおまえ!いつまで塹壕にいるんだぜ!はやくてきじんちにとつげきするんだよ!あくしろよ!」 …ちっ… しょうがない…そもそも家にはろくな金もない。 いっそ敵からうばえばいいのだ。 だから私は今日も戦闘に参加する。 決して国のためなどではない。 「で、で、でたぁぁぁぉ!!!てきのじゅうばくげききだぁぉぁぁぁ!!!!」 「ばびぶべぼおおおおおおお!?!?!?」 あの爆撃機だって、戦車だって、爆弾だって、 戦艦だって、全てゆっくりじゃないか。 なぜこんなことをしなくちゃ行けない。 ああ、愛しのまりさよ… どうか加工されて戦車にでもなってなければいいのだが… 「み、みかたのせんしゃがきたよおおおおおおおお!!!!!」 「これでひとあんしんだよおおおおお!!!!」 がばぁ! あ、あの戦車は…! ま、まりさ!? そんな…冗談のつもりがほんとになっちまった… こんな事するなんて…!許せない…! 「おいおまえ!いつまでぼーっとつったってるんだよ!!!はやくぜんせんに…」 「………せえ」 「ゆ?」 「うるせえよおおおおお!!!!!!」 「こ、このまりささまにむかって… うるせぇだとぉッ!?」 「しね!しね!こんな事する戦争と上層部と幹部はゆっくりしないでしね!」 「ゆが!や、やべでええええ!!!!あやばりばず!あやばりばずがらぁぁぁ!!!ばりざのだいじなぐんじょうざんもあげまづがらぁぁ!!!」 「しね!しね!ゆっくりしないでしね!」 「や…やべで…」 「しねぇぇぇぇぇ!!!!」 グシャッ! はぁ、はぁ、ついに、遂にやった!あの偉そうな上官を遂に殺した!あとは敵のれいぱーだけだ! 「んほぉぉぉぉぉぉ!!!!ありすとすっきりしましょぉぉぉぉ!!!!!!」 「黙れ!お前はこれでしね!」 「あ゛り゛ずの゛どがい゛ばな゛べに゛べに゛がぁ゛ぁ゛ぁ゛」 「ありすはゆっくりしないでしね!」 「ごの゛い゛な゛がも゛の゛お゛お゛お゛!!」 れいぱーなんかゆっくりしないでしね! でも…こんなことしたって家には帰れな… 「みんなー!そこまでだよー!」 「「「!?!?」」」 「もう戦争は終わったよー!はやく国にかえるんだよー!」 「「「やったぁぉぁぁぁぁ!!!!!」」」 ポカーン(・o・) こうしてれいむは、国に帰ることになった。 「ただいまー!れいむがかえってきたよー! あかt」 「おがぁじゃぁぁ!!だずげでええええ!!」 「みゃみゃー!ひちょりでかりできたどー!」 「うー!れみりゃのおちびちゃんはてんさいだどー!」 は? 「…おいやめろ…」 「うー?こんなところにもえさg」 「やめろっていってんだろうがぁぁぉぁ!!!!!!」 「ぶぅぅぅぁ!!!ちゅぶれりゅぅぅ!!!ざぐやぁぁぁぁぁ!!!!」 「れ゛み゛りゃ゛のがわ゛い゛い゛ごども゛があ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「おまえみたいなやつはさっさとしねぇぇぇ!!!」 「ちゅぶ!ちゅぶりぇりゅううううう!!!!」 「や゛べでえええええ!!!」 「おまえもしねぇぇぇ!!!!」 「ぼっど、ゆっぐ…」 「そうはいくかぁぁぉ!!おまえはしぬまでうんうん奴隷だぁぁぁ!!!」 「うんうんどれいはゆっくりできないんだどおおおおおお!!!」 終わり
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れいむはおちびちゃんのために”狩り”をしているところだった。 「ちょうちょさんゆっくりしていってね!」 「むしさんゆっくりしていってね!」 ぴょこたんぴょこたんと跳ねながら、辺りの昆虫や、時には空を飛んでいる鳥を追いかける。 ほとんど散歩のようなものだが、それでも成果がまったく得られないということはない。 運よく入手した虫や食べられる草などを口に入れてゆく。 「ゆふぅ…きょうもゆっくりがんばったよ!おうちかえる!」 れいむはおうちへ向かう。 れいむと、れいむのおちびちゃんが住んでいるおうちはとってもゆっくりした素敵なおうち。 「おちびちゃんゆっくりまっててね!」 ―― 「ゆぴぇっ!!??」 れいむは最初、転んでしまったのだと思った。 しかし、体勢をととのえて辺りを見回すと、少し様子がおかしかった。 「ゆ、ゆぅ……?」 あたりは、れいむがさっきまで家路を急いでいた草原ではない。 硬くひんやりとしたリノリウム張りの床の上、白い壁がどこまでも続く屋内にれいむはいた。 れいむは、ゆっくり特有の切り替えの早さでおうち宣言をする。 「とってもゆっくりしたおうちさんだね!ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!」 「なんだ、またゆっくりか」 「ゆっ?」 れいむが振り返ると、一人の人間がれいむを見下ろしていた。 「レポート明日までだってのに、また失敗だよ…」 「ゆゆ?なんのことかわからないよ!ゆっくりせつめいしてね!」 人間は言った。 「学校の実験を明日までに成功させないと俺の単位が危ない。 その実験とは、”500年以上過去の世界から何かを持ってくる。ただしゆっくりを除く” つまりお前さんは、俺の実験のせいで過去から呼び出されたんだが、こっちとしては必要なかったってわけだ。 もう勝手にどっかいっていいよ」 「ゆゆっそれじゃここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!」 「それ駄目。ここは俺の家。っていうか俺の親の家」 「どうしてそんなこというの!れいむおこるよ!」 「業突く張りなところは、まさしく過去れいむか…しかしこいつじゃ時間系実験の有効サンプルとは 認められないからな…ちくしょう、どこにでも現れる不思議生物め…」 「おにーさんゆっくりしてないよ!ゆっくりしていってね!」 「あーもううるせーよー、そんな時間ねーんだよ」 人間はれいむを掴みあげる。 「やめてね!おりぼんとれちゃうよ!ゆっくりはなしてね!」 「安心しろ。そう簡単に取れねーよ……そうだ、これをつけてやるのを忘れてた」 人間はれいむの髪飾りに、赤い花をかたどった小さなピンを付けた。 「ゆわーい!にんげんさんありがt……」 「そんじゃな」 人間は窓を開け放つと、れいむをポイと投げ捨てた。 このようにして、れいむは未来へとやってきたのだった。 30日 十京院 典明 幸い、れいむの大事な髪飾りは無事だった。 「ゆっくりしていってね!!」 とりあえず、人間の家の外で挨拶をする。答えるものはいなかったが、それで少し気がまぎれた。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 ひとしきり叫んだあと、れいむは辺りを見回す。 人間の家の庭は広くて綺麗だった。おいしそうな草が沢山生えているし、樹木もある。 それらはれいむには”ゆっくりした”としか認識、形容できないものだが、家人の手できちんと整備されたものだった。 「ここをれいむのおうちにするよ!」 と、二度目のおうち宣言をしたところで、おちびちゃんのことを思い出す。 「ゆゆっ!れいむのおちびちゃん、いっしょにゆっくりしようね!」 いるはずもないのに辺りを探し、声を上げておちびちゃんを捜し求める。 「ゆぅぅぅぅ!!どうしておちびちゃんいないのぉぉぉぉぉ!!??」 お腹が空いたので、ご飯を食べることにした。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 おちびちゃんはいないけれど、それでもご飯は幸せだ。敷き詰められた芝生はとても良い味がした。 「おちびちゃんゆっくりまっててね」 れいむはおちびちゃんを探し出すべく跳ね出した。 * * * * れいむは一生懸命に跳ね、声を上げたが、捜索はもちろん徒労に終わった。 「れいむのだいじなおちびちゃんゆっくりでてきてね!」 公園の真ん中で大声で叫ぶれいむに、一人の人間の女性が歩み寄る。 「れいむちゃん、ゆっくりしていってね」 「ゆゆ!ゆっくりしていってね!」 女性は腰をかがめてれいむと目を合わせる。 「おちびちゃんがいなくなっちゃったの?一緒に探してあげようか?」 「おねーさんゆっくりありがとう!」 しかし、やはり見つからない。 いないものが見つかるわけなどないのだ。 「ゆ゛う゛う゛う゛!ゆ゛う゛う゛う゛!」 女性はすさまじい泣き方をするれいむを抱き上げる。 「落ち着いて。 ……このあたりはだいたい探し終えたから、次は街中へ行ってみましょう?」 一人と一体は、れいむが”呼び出された”郊外の住宅地から市街地へと入った。 「ゆゆっ!!」 市街地はれいむにとって驚きの連続だった。 道を行き交う人と車、それにゆっくり。 「ゆっくりしていってね!」 れいむが言うと、 「ゆっくりしていってね!」 と答えてくれるゆっくり達は、みな幸せそうな顔をしている。 人間に飼われているゆっくりもいた。 「ゆっくりしていってね!」 「ああ、『ゆっくりしていってね』」 飼いゆっくりと人間は笑い合って、歩いていく。 れいむはそれを、拍子抜けしたような、遠いものを見るような目で見ていた。 れいむのもといた世界では、人間とゆっくりはいがみあっていることが少なくなかった。 また、人間にいじめられてゆっくりできなくなるゆっくりも多かった。 れいむは跳ね止まり、前を行く女性を見た。 「ん?どうしたの?」 「ゆ、ゆゆっ、なんでもないよ!ゆっくりおちびちゃんさがすよ!」 * * * * 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせーー!!」 「美味しい?れいむちゃん」 「とってもゆっくりしてるよ!こんなしあわせーなのはじめてだよ!」 ついに日が暮れて、一人と一体は捜索を断念した。 女性に連れられてれいむは初めて”ふぁみれす”に入った。 きれいなくささん――”しーざーさらだ”はとってもゆっくりしていた。 食後にはオレンジジュースも飲んだ。 「ごーく、ごーく…しあわせー!」 「ふふっ」 「おねーさんなにのんでるの?」 「これはメロンソーダよ。れいむちゃんにはちょっと飲めないかもね」 「そんなことないよ!こんなにゆっくりきれいだよ!」 「それじゃああげるわね。気をつけて飲んでね」 「ゆゆ!しゅーわしゅーわするよ!」 「大丈夫……?」 「しゅーわ、しゅーわ……ゆっぐりでぎないぃぃぃぃ!!!」 「ああもう、だから言ったのに」 女性はれいむの頭頂部を抱えて撫でる。 「ゆぅぅぅぅ!ゆぅぅぅぅ!」 その時、女性があることに気づいた。 「あら」 れいむの髪飾りに付いている、赤い花のピン―― それは、”未認可”の証だった。 「れいむちゃん、テストは受けてないの?」 「てすと?てすとってなに?」 「何って……ああそうか、過去ゆっくりなのね。 えーっとね、れいむちゃんは、テストを受けないと駄目なのよ」 「てすとはゆっくりできる?」 「うーん……ゆっくりできたりできなかったりする……というか、テストをしないとずっとゆっくりできなくなる」 「ゆゆ!ずっとゆっくりできないのはいやだよ!ゆっくりてすとするよ!」 「そう。それじゃ明日から、授業受けに行きましょうね。テストのための。 そうだ、今どういうのか教えてあげるからね」 女性は携帯端末を操作すると、端末から小さなメモリースティックを抜き出し、れいむの額に当てた。 「ゆゆ!」 れいむの心に、見たことのないはずの光景が浮かび上がっては消えていく。 それはネット上からダウンロードした、ゆっくり生育認可テストの情景だ。 ゆっくり達は、人間世界の規律を学んだり、我慢することを覚えたりしている。 「ゆゆ!こんなにむずかしいのむりだよ!」 「ふふっ……大丈夫よ。みんなできたんだから」 「それなられいむ、ゆっくりがんばるよ……」 「そう、偉いわね」 。……ところで、れいむちゃんは何歳?」 「なんさい?」 「うーん、えっとねぇ……れいむちゃんは、生まれてから何回寝て起きた?」 「ゆゆ!れいむは、にじゅうきゅうかいすーやすーやして、にじゅうきゅうかいゆっくりおきたよ!」 「あ……そ、そうなんだ」 * * * * ゆっくりの生育に関する条例 ゆっくりは生後30日以内に、いずれかの市町村役場で生育認可を得なければならない。 もし認可のない場合、その活動の期限を30日限りとする。 * * * * 町に野にゆっくりは溢れている。 それは必要な措置だった。 決して難題でもない。たとえば、普通の人間が簡単な資格や免許を取得する程度の労力しかかからない。 だが、れいむがテストを受け、それに合格するのは不可能に近かった。 人間だって、一日で自動車免許を取れはしない。 だが、今日の終わりまでにそれをクリアーしなくては、れいむに生きるすべはない。 女性はそれをれいむに伝えた。 「ぷくぅぅぅぅ!!どうしてそんないじわるいうの!きょうまでなんてむりだよ!」 「そう、そうよね……だけど、そういうことだから」 女性は席を立った。 「おねーさんどこいくの!ゆっくりまってね!」 「うーん、かわいいれいむちゃんだったけど……やっぱり過去ゆっくりは駄目ねえ」 れいむが女性を追って”ふぁみれす”から出たとき、すでに女性の姿は、夜の街の雑踏の中に消えていた。 「おねーさん!れいむはおねーさんといっしょにいたいよ!いっしょにつれてってよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「てすとをうけないと、ずっとゆっくりできなくなる」? ――れいむは、あしたもふぁみれすでしーざーさらださんむーしゃむーしゃしたいよ。 ――れいむは、おちびちゃんにあいたいよ。 ――ずっとゆっくりしたいよ。 ――ゆっくりできなくなるなんていやだよ。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 れいむは泣きながら叫んだ。 道行く人も、ゆっくりも笑いかけてくれる。だけど、れいむの境遇を理解してくれる者はいなかった。 「ゆっ!ゆぐっ!でいぶ、でいぶはっ、おちびちゃっ、おねーざん、ゆっぐりでぎなぐなりだぐないよ!」 「ゆゆ?」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっぐ、ゆっぐりじでいっでね……ゆっぐりじでいっでね……!」 ――おねーさんがいじわるをいわなければ。れいむをつれてってくれれば。 ――じかんさんがもっとゆっくりしてくれれば。 ――ちがう。 ――どうしてこんなことになったの? ――れいむはなにもわるくないよ? 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっぐりじでいっでね!ゆっぐりじでいっでね!」 やがて人の流れが途絶え、時計の針が一日の終わりを告げる。 「ゆ゛う゛……おねーざん……おぢびぢゃん……」 髪飾りに付けられた赤い花のピンが三度瞬いた。 れいむは泣きながら、ゆっくりとした眠りに就いた―― END このSSに感想をつける
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ゆっくり汁粉 6KB ある日買い物に行くと、「HOTゆっくり」と書いてある自販機を見つけた。 よく見かけるジュースが紙コップに入って出てくる自販機と同じような形で、 ボタンの所にはいくつかの種類のゆっくりのイラストが貼ってある。値段は100円と この手のものにしてはちょっとお高いが、なにやら面白そうなので1つ買ってみることにする。 百円を入れると『ユックリシテイッテネ!』と録音だろう声が鳴る。各ボタンのランプが点灯したのを確認し、 とりあえずはれいむのボタンを押す。まずレールにそって幾分か小さめのカップが押し出される。 その後、「おしょらをとんでりゅみたい!」と言う声と共に1匹の生きた赤れいむがカップの中に落ちる。 そして少し置いた後、カップの中に熱湯が注がれる。 「ゆ゛ぎぃぃいぃあぢゅいぃぃ゛い゛!!」 赤れいむにとって見ればよく分からない場所に放り出された直後上からお湯が降ってくるのだ、 たまったものではないだろう。カップに隠れてよくは見えないが、くぐもった悲鳴が聞こえてくるので どういう状況下は大体理解できる。しかしこれよく商品化にゴーサインでたな…… 正直この時点で食欲がとても失せる。虐待お兄さんと呼ばれるやつらなら最高のスパイスなんだろうが。 完成を知らせる音が鳴ったので取り出してみたが、意外な事に皮の切れ端とふやけたモナカのようになったリボンくらいしか残っていない。 赤ゆっくりは皮も薄いと聞くし、勢いの強い熱湯で粗方崩れてしまうのだろう。 自販機備え付けのティースプーンで中を軽くかき混ぜ、恐る恐る啜る。 意外と美味い。が、さっきまでの印象もあり主観的な美味さは中の下といったところか。 これ考案した奴も相当馬鹿だと思うがゴーサイン出した奴も相当馬鹿だよなぁ。 でもそれを買っちゃう俺も同じくらいは馬鹿か。そんな事を思いながら俺は家に帰った。 なお、買い物=飼ってるゆうかりんの御飯をすっかり忘却してそのまま帰宅した為に 帰宅したのと同時に引き返すことになった上、次の日の朝ごはんまでゆうかりんに罵られ続ける事になってしまった。 もっとののしって! 後日ゆうかりんと一緒に買い物に来て見ると、丁度中のゆっくりやカップを補充しているところのようだった。 中がどうなっているのか観察させてもらうと、いくつかに分かれたタンクの中に赤ゆっくりがぎっしり詰まっている。 赤ゆっくり達は皆すやすやと眠っており、ガチャガチャと音を出して各部の点検をしているが起きる気配はない。 気になったので、とりあえず声をかけてみる。 「あ、すいません。その赤ゆ達って何で起きないんですか?」 そのタンクの上の方にはスピーカーのようなものがついており、内部になにやら音を聞かせているようだ。 業者の人が言うには、母ゆっくりの歌う子守唄に似た周波数の音を聞かせ続けることによって強制的に眠らせ、 ぎっしり詰めても起き出す事はないのだそうだ。歌を聞かせゆっくりさせる事で品質を保ち、 眠らせることでエネルギーの消費を抑え、餌がなくとも生き永らえさせる事ができる。流石ゆっくり、いい加減に出来ている。 タンクの下方はガチャポンの機械の様になっており、ここが回転し赤ゆを下に送り出す仕組みになっているらしい。 「ねえおにいさん、わたしものんでみたいわ。あじはわるくないんでしょう?」 話を聞いていて興味を持ったのか、ゆうかりんがわくわくした顔でこちらを見る。 丁度補充も終わったようで、ゆうかりんの頼みなら断れないと早速百円を入れ、今回はまりさのボタンを押す。 ウィー……という動作音と共にカップが落ちて……こない。 そうこうしている内に赤まりさが「ゆっくちしていってにぇ!」と落ちてきて、きょろきょろと辺りを見回す。 こうしたカップ系のものではたまにあることだが、何も今起きなくても……と思っていたときに悲劇は起きた。 落ちてきたお湯がきょろきょろしていた赤まりさの帽子のつばに当たり、ころんと頭から転げ落ちてしまう。 当然まりさは驚いて帽子に向かおうとするが、滝のように勢いよく落ちるお湯は容赦なく帽子を打ち据え、 帽子はお湯の熱さと勢いでどんどんとぐずぐずになっていく。まりさ種の帽子は水に強いが、水を全く受け付けないわけではない。 長時間浸っていればふやけるし、勢いよく水を叩きつければ当然破れてしまう。 「ゆああぁぁぁぁぁ!? おゆしゃんゆっくちしちぇね!? まりしゃのすてきにゃおぼうちをはなちてね!?」 しかし当然お湯は止まるはずもなく、見る間に帽子は崩れてしまい、 カップ1杯分の量を注ぎ終わる頃には味噌汁に入れた海苔のようにぐずぐずの黒い塊に成り果てていた。 「ああ、ぁ……まりしゃの……まりしゃのおぼうちが……」 茫然自失といった状態のまりさを機械から取り出しどうしようかと思案していると、 ゆうかりんがそのまりさをくれというので預けてみた。 「おちびちゃん、どうしたの?」 「ゆぅ……おゆしゃんがまりしゃのすてきにゃおぼうちをこわしちゃったにょ……」 ぽろぽろと泣きながら語るまりさを優しくなだめ、ゆうかりんはまりさに囁く。 「それはたいへんだったわね……おねえさんがおまじないをしてあげるから、ちょっとめをつぶってね?」 「おまじないしちゃらおぼうちにゃおるの?」 「それはあなたしだいね。めをつむっていいこにしてたらなおるかもしれないわよ?」 それを聞くと、まりさは「わきゃったよ!」と目を瞑った。 何をするのかと見ていると、ゆうかりんは一瞬の早業でまりさを舌で巻き取ると、そのまま口の中に入れてしまった。 少ししてゆうかりんが口をもごもごと動かすと「ゆぴっ?!」というくぐもった小さな声がし、それきり静かになる。 つまるところ、ゆうかりんがまりさを食べてしまったのだ。 咀嚼して飲み込み、ゆうかりんは満足げな溜息をつく。 「……ふう、まずまずね。ひとやまいくらにしてはなかなかおいしいほうじゃないかしら。 おにいさん、こんどはちゃんとのんでみたいからもういっぱいおねがいね?」 そういうゆうかりんの鼻先に、ふやけた海苔のようなものが浮かんだ汁粉が差し出される。 恐らくさっきのまりさ汁粉は本当ならこうなるべきものだったらしい。海苔のようなものは帽子だろう。 差し出したのはさっきの業者の人だ。なにやらやたら清々しい笑みを浮かべている。 「いやぁ……面白いものを見せていただきました! なるほど、そのまま食べてもそこそこ美味しいか…… 有難うございます! 今後ともわが社の製品をご贔屓に!」 聞けばこの人、このゆっくり汁粉の機械を作った会社の人で、自販機の管理の他に食用ゆっくりの養殖なども自社で手がけているらしい。 まだまだゆっくり産業に参入したばかりの弱小らしいが、こういった現地での反応なども自社製品に盛り込ませるべく 日夜こういった場所を駆けずり回っているそうな。ご苦労様です。 ちなみにゆっくり汁粉はゆうかりんにはとても好評で、何でもお湯で苦しむゆっくりの声が とても耳に心地良いそうだ。さすがゆうかりんマジサドい。 ゆっくり汁粉を気に入ったゆうかりんのたっての願いで、 今日の夕飯はカセットコンロを使っての手作りのお汁粉となった。勿論ゆっくりを使った物だ。 その時のゆっくりも彼の会社のものを何となく選んでみた。 ゆうかりんはご満悦であったが、人間である俺にはちょっとキツかった。 おやつには良いけど、やっぱ夕飯時に餡子オンリーはきつかったわ…… 体重も気になるし、明日から少し運動でもしようかなぁ…… ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ あとがき 10507967.htmスレ1240558200503.pngのキリあき氏の絵を見たら不意に書きたくなったので筆を取ってみた。 あの自販機の内部について細かい事は考えないで下さい。 書いた人間自身がノリと勢いだけで書ききったもんですからw しかしあれですね、ゆうかりんほんとかわいいよゆうかりん。 ゆうかわあきでした。 元ネタ絵 by キリライターあき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓インキャきっも -- 2020-11-12 22 44 59 アイデアは良いけど、ゆっくりごときに100円も払いとうない。 水攻め・熱湯攻めなら自分でじっくりゆっくりしっかり虐待したい。 -- 2018-02-16 15 18 57 これ作ったのだれ? ほんっっっっっっとバカ。 ゆっくりが痛いのはせいぜい熱湯の雨位じゃね? もっと苦しめて甘くしようぜ。 こないだ飲んだがあまり美味くなかったぜ? -- 2014-12-31 18 17 04 うーん。もっと苦しめたい。 熱湯だからすぐ溶けるし。 -- 2014-12-17 17 18 42 カップが出てこないのは虐待用のボタン?と思ったけど本当にトラブルだったか -- 2014-08-29 01 36 01 食べたい -- 2014-01-25 09 55 45 たまに二匹入ってきたら楽しい -- 2013-11-08 23 59 43 順番待っている間もゆっくりさせない状態にするとより一層美味しくなりそうだ 熱湯の熱で密閉サウナにしておくとか、もちろん死なせずにネ -- 2013-07-21 00 20 32 たしかに。 -- 2013-06-29 16 57 56 たまに2匹入ってきそう・・・ -- 2013-01-27 18 54 04 絵が元ネタだったのかしらんかった、このゆうかりん最高だな、飼い主は変態だけど -- 2012-12-10 13 00 02 ウマソナウマソジャナイヨウナ -- 2012-10-27 14 20 40 お餅が体にはいった品種も作ってほしい -- 2012-07-28 17 15 12 これ作ったやつ市ねよ -- 2012-04-03 08 12 23 飲んでみたい -- 2012-02-11 14 51 44 ↓お前が言うな(´・ω・`) -- 2012-01-06 03 14 15 ↓お前猫舌なんだねーわかるよー -- 2011-12-23 11 21 10 ↓ そうだな。 それに熱湯じゃぁ買ってもしばらくのめないな。 -- 2011-11-14 16 41 41 これはなかなかw しかし、熱湯だと苦しいのは一瞬ですぐに感覚が麻痺してしまう。 時間をかけてじっくりと苦しめるには65度位が丁度いいかな。 -- 2011-10-05 13 29 13 飲めるかよこんなもんwww 溶けきってなかったら絶対捨てる -- 2011-09-07 14 39 35
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下拵え 27KB 虐待-いじめ 野良ゆ 赤子・子供 作中の各種設定はテキトーです。 寒空の下。 男が公園のベンチに座って、もそもそとあんまんを食べていると、一匹のゆっくりれいむがやってきた。 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」 れいむは元気よく男に挨拶した。 「はあ」 男のただ吐息に声を乗せただけの挨拶は、れいむのお気に召さなかったようだ。 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!! れいみゅはれいみゅだよ!」 さっきより元気な声で挨拶してきた。自己紹介付きだが、それは見れば分かる。 れいむは男の顔をじっと見つめ、リアクションを待っている。実に自信満々といった顔つきだ。 「ゆっくりしていってね~」 今度は男も挨拶を返す。語尾を間抜けに伸ばしたその挨拶にも、しかしれいむは満足してくれた。 「ゆっ! おにいしゃん! れいみゅ、ゆっくちおねがいしゅるよ!」 「なんだ?」 暗に「予想はつくけどな」という含みを持たせた問いかけだったが、れいむはそれに気づかない。 果たして、れいむは男の予想通りの答えを返した。 「れいみゅにあみゃあみゃちょうだいにぇ!」 この手の野良ゆっくりの欲しがるものといえば、おおむね食べ物か住む所だ。 金品を要求する小生意気な奴も、いるにはいる。ただそういう連中は、芸を人間に見せたり、人間の手伝いをするなどして、その対価として代金を受け取っている。いわば殊勝なゆっくりと言えた。 このれいむは単純に甘いものが欲しいらしい。具体的には男が食べている、いまだホカホカのあんまんだ。 男はあんまんを見つめ、しばらく思索にふけった。 「どうちたの、おにいしゃん! れいみゅのおねがいきいちぇにぇ!」 れいむが催促してきた。 ややあって、男も口を開く。 「――そうだな。えーと、おまえ、何か得意なことはあるか?」 「ゆっ? とくいなこと?」 「そう。たとえば――おまえらの仲間にまりさってのがいるよな」 「まりしゃはれいみゅのおとうしゃんだよ!」 小さく頷き、公園内の池を指差して男が続ける。 「そのお父さんと同じまりさが、たまにあの池で遊んでるんだよ。この寒い中でも、わざわざ帽子に乗って水に浮かんで」 「ゆっ! おとうしゃんはぷーかぷーかできりゅよ!」 父親が褒められたようで嬉しいのか、れいむが自分の手柄のように胸を張った。 「あれ、すごいよな。自分や家族の、生活とか行動の幅が広がるっていうかさ――で、れいむはそういうことできないのか?」 「できにゃいよっ!」 即答だ。しかも胸を張っているのはどういうわけか。 「ぱちゅりーは頭がいいんだろ? ありすってのは、たしか都会派なコーディネートが得意なんだっけか」 「おにいしゃんはくわちいにぇ! ゆっくちしちぇるよ!」 「ありがとう――で、れいむには何か得意なことはないのかと、そう聞いてるんだよ」 「ゆ? ゆゆっ?」 れいむは困惑している。男が何を言いたいのかわからないのだろう。 「れいむの得意なこと。まりさたちのように、特に他者の役に立つようなヤツな。それを今から見せてくれ。それに俺が納得できたら、このあまあまを少しだけわけてあげてもいいぞ」 「ゆゆう~っ?」 「その代わり、納得できなかったらコレね」 男は右手の中指を親指で弾いて見せた。いわゆるデコピンだ。 デコピンといえど、子ゆっくりにとっては結構なダメージになる。それでも、 「わかっちゃよおにいしゃん! れいみゅ、とくいなことをみしぇるよ! ゆわーい、あみゃあみゃ! あみゃあみゃ!」 あまあまの魅力に眩んだ目には、デコピンの恐怖は見えていないらしい。れいむは了承した。 それでも、本当はすぐにでもあんまんが食べたいらしい。れいむの口から思わず本音がこぼれる。 「……でも、しゅこしめんどくちゃいにぇ」 それを聞いた男は、 「確かにな。でも、うまいものを食べる下拵えだと思えば……」 と呟いた。 それはただの独り言だったが、れいむは励ましの言葉だと受け取ったようだ。 「ゆっ! れいみゅ、ゆっくちしたごしらえしゅるよ! えい、えい、ゆー!」 元気に声を上げた。 「じゃあ、さっそく見せてもらおうかな」 「ゆっ! じゃあいきゅよ! れいみゅ、ぴょんぴょんしゅるよ!」 おもむろに飛び跳ねるれいむ。得意げに男の顔を見ている。 その額に狙いを付け、男はデコピンした。宙にいたれいむは、着地を失敗して顔面から地面に落ちた。 「ゆべべっ! なにしゅるの、おにいしゃん!?」 「ふざけてんのかバカ。それはおまえ――れいむ種だけじゃなくて、ゆっくりみんながよくやる動きだろ?」 男の意図がよく伝わってなかったのだ。 「でもぱちゅりーはできないよ! れいみゅのほうがじょうずだよ!」 「駄目。そもそもぴょんぴょん跳ねるだけなら、ノミの方がよほどすごいぜ。お前の得意なことってのは、ノミ以下のチンケなものなのか?」 「ゆがーん! のみしゃんいかああああああ!?」 ちっぽけなノミより格下と見なされて、れいむはショックを受けたようだ。そのショックは自ら発した効果音だけでなく、大きく開かれた目や口からも伝わってくる。 「おまえを含めてれいむならでは、ってのを見せてくれよ。それとも得意なことなんてないのか?」 「ゆ、ゆっくちりきゃいしちゃよ! こんどはうみゃくやりゅよ!」 そう言って、今度は体を伸び縮みさせはじめるれいむ。 「のーびのーび―……いぢゃいいっ!? やめちぇにぇ! やめちぇにぇ!」 男はあんまんを食べながら、二度三度とデコピンを食らわせた。 「だからそういうのは駄目なの」 「とくいなことをみせたけっかがこれだよ! おにいしゃんはわがみゃみゃだにぇ!」 「まだわかってないのかこのバカ。だいたい、それが何の役に立つんだよ。伸びるだけならパンツのゴムの方がよほど便利だぜ」 「ゆ? ぱんちゅ、しゃん?」 れいむはパンツの意味を理解していないようだ。この挑発は無駄だったか。 男は溜息をついてから、優しく言う。 「いいか? お父さんがまりさってことは、お母さんはれいむだよな? たとえば、お母さんは何が得意だ?」 れいむ種にも特技はいくつかある。中でも定番なのは―― 「ゆっ! おかあしゃんはおうちゃがじょうじゅだよ! れいみゅもおしえてもらっちゃよ!」 そう、歌だ。道端で歌を歌って金を稼いでいるゆっくりも、圧倒的にれいむ種が多い。 「それそれ、そういうのをやってくれって言ってるんだよ」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ! れいみゅ、ゆっくちうちゃうよ!!」 「おお、やれやれ」 男が拍手をすると、れいむは歌い始めた。 「ゆっくちのひ~、まっちゃりのひ~」 「……」 「しゅっきりのひ~、ゆゆゆのゆ~」 「……」 目を閉じて気持ちよさそうに歌っている。 男は中指を引き絞り、より強めにデコピンをした。 「ゆゆゆ~――ゆぎゃおっ! ……ゆわーん! いぢゃいよおおお!! れいみゅちゃんとうちゃっちゃのにいい!」 「駄目。聞くにたえない。ヘタクソだなあ、おまえ」 男も予想していたことだったが、れいむの歌は雑音にしか聴こえなかった。これではとても金を稼げないだろう。通行人に踏み潰されるか、加工所や保健所に通報されるのがオチだ。 役に立つどころか、むしろ死期を早める行為と言える。 だが、れいむは納得いかないらしい。 「ゆっ!? おにいしゃんはしちゅれいだにぇ! れいみゅのおうちゃは、おかあしゃんだって『てんしさんのようなうたごえだにぇ』ってほめちぇくれたんだよ!」 「へえ」 それは子どもに気持ちよく歌ってもらうための、人間の親も使う方便だったとしか思えない。もっとも、このれいむの歌がゆっくり的に上手いのかどうかなど、男に、人間にわかりようもないのだが。 人間でも素直に美しいと感じる歌を歌うゆっくりもいるが、それは極少数だ。 そうとわかっている上で、男は言った。 「はっ、おまえンちはお母さんもバカなのか? それは歌じゃなくて雑音って言うんだって、だいちゅきなおかあしゃんに教えてやれよ」 その言葉に、 「ゆゆうううっ! ぷんぷん! おんこうなれいみゅもおこっちゃよ!」 れいむが怒りだした。 自慢の歌と、それを認めてくれた母親を貶されては、さすがに我慢できなかったようだ。 「おにいしゃんはゆっくちあやまっちぇにぇ! ぷきゅうううう!」 れいむは頬に空気を溜めて男を威嚇する。 キリっとした眉毛に、男を射抜かんとする鋭い視線。普段のニヤけ具合が嘘のようにきつく結ばれた口元。それぞれのパーツだけを切り取ってみれば、りりしいと言えないこともない。 それを見た男は、右手の人さし指と親指を使って、パンパンに張ったれいむの頬を挟んだ。 男がその二本の指に少し力を入れると、れいむの口から、 「ぷしゅるるるるるる!」 というれいむ自身による効果音とともに、頬に溜まった空気が吐き出される。 「るるるううううう――ゆ? ゆ?」 空気と一緒に怒気も抜けたのか。きょとんとするれいむの眉間に、男はデコピンを見舞った。 「いぢゃいっ!」 ころんと、れいむは仰向けに転がった。空を見上げて目をぱちくりさせている。 「そういうのは駄目だってば。『ぷくー』はれいむだけが得意なことじゃないだろ」 男は空とぼけて言った。 「ちゃんとれいむ種だけが得意なことを見せてくれないと。しかもその、『ぷくー』だっけ? 恐くもなんともないな。その辺のアリンコの方がよほど恐いぜ」 男の言葉に、れいむは体を起こして抗議する。 「れ、れいむのぷきゅーは」 「知ってる。アリンコよりも弱っちいんだよな。さ、はやく得意なことをみせてくれないと、あまあまがなくなっちゃうぞ?」 れいむの言葉を遮り、男はあんまんの端をチビリとかじった。 「さあ、お次は何かな? ぱちゅりーの超天才的頭脳や、ありすの都会的なハイセンスに匹敵する特技を、俺に見せてくれ」 男は口から出任せを言いながら、れいむの目の前にあんまんをちらつかせる。 「ゆゆ~ん! よだれがじゅーるじゅーる!」 その香りに鼻腔をくすぐられたのか――鼻などないが――れいむの開きっぱなしの口からは、だらだらと涎がたれている。 このあんまんは、甘さはもとより、風味や旨味も申し分無い。他のメーカーには出せない味が好評を博している。男もお気に入りの一品だ。 「……ゆっ! れいみゅはこそだてがとくいにゃんだよ!」 確かにれいむ種の子育てには定評がある。れいむ種から産まれ、育てられた子どもたちは、とてもゆっくりと健やかに成長するというのだ――もちろん例外もいるが。 そして昨今ではその例外が多くなってきている。 それでは、目の前のれいむはどうなのか。 「はあ。でもれいむ、お前、子どもいるのか?」 赤ゆっくり言葉も抜けていないれいむだが、子育てをしたことはあるのだろうか。 男が当然の疑問を口にすると、 「ゆっ? れいみゅにおちびちゃんがいるわけにゃいでちょ? みてわからにゃいの? ばきゃにゃの? ちぬの?」 れいむは蔑んだような表情と口調で言った。ニヤニヤという擬音が聴こえてきそうだ。 男はおもむろにれいむを持ち上げ、山なりに放り投げた。 「ゆわーい! おしょらをとんで――ゆべべっ!」 またもれいむは顔面から地面に落ちた。先ほど以上の強い衝撃に、顔が内側にへこみ、しかしすぐに元に戻った。 「ゆぐっ……ゆわああああああん! おかおがいちゃいよおおおお!! ゆんやあああああああ!!」 男は息を吐いて気持ちを落ちつけた。別にれいむに暴力を振るうことが目的ではないし、何よりルール違反だ。 「おまえ、それは『れいむのバカさ加減はもはや特技だよ!』って言ってるのか?」 「だっで、だっでえ! おかあしゃんは、ゆっぐ、こそだてがとくいだっていっで、いっでだがら! ゆっぐ、ゆっぐ!」 しゃくりあげるれいむ。 男は溜息をついて、 「お母さんは子育てが得意なのかも知れないけど、おまえ自身ができなきゃ俺は見せてもらえないだろ? 見せてもらえないとあまあまもあげられないんだよ。俺の言ってる意味、いい加減わかったか?」 ゆっくりとした口調で言った。 「ゆっぐ! れ、れいみゅ、ゆっくちりきゃいしちゃよ! ゆふふ!」 愛想笑いを浮かべているれいむ。 それを見て、男は口元を歪めた。 「理解しているのかも怪しければ、おまえの母親が『子育てが得意』だってのも怪しいもんだな。ええ、おい」 努めて意地の悪い口調で言うと、 「しょ、しょんなこちょにゃいっ!!」 れいむはムキになって反論した。 「けっきゃいっ! だよ!」 土管型の遊具の前で、れいむは得意げに言った。 土管の中に出入りして楽しむための単純な遊具。れいむの背後とその反対側に開いた口には、それぞれ短い木の枝が一本立てかけてある。れいむの手によるものだ。 「ゆふん! これでどかんしゃんのなかにははいれにゃいよ! れいみゅのけっきゃいっ! にかんしんしたならあみゃあみゃちょうだいにぇ!」 主に巣穴を守るために使われるれいむ種の『結界』。そのもっとも極端かつ単純な形が、巣穴の入口を塞ぐように木の枝を、あるいは草や石ころを置くというものだ。 巣穴に見立てた土管にれいむが張った『結界』が、まさにそれだった。 こうすることで、他のゆっくりに襲われることはおろか、そこに巣穴があることにすら気づかれないらしい。たとえ木の枝の隙間から『結界』の中が丸見えだったとしてもだ――今、土管の中が男から丸見えなのと同じように。 「ふん」 男は鼻を鳴らし、れいむの後ろにポツンと立てかけられている――土管の天井まで届いてもいない――木の枝を取り払い、へし折る。針金のような枝は、乾いた音を立てて二つになった。 そして、これ見よがしに土管の中に手を出し入れさせる。 「ゆわあああああっ!? おかあしゃんじきでんのれいみゅのけっきゃいっ! がどうちてやぶられるのおおおおお!? どうちてえええええ!? ――ゆびぇえっ」 男が律儀に木の枝をどけるまでもなく出入り可能だった『結界』。それが破られたことが、よほどショックだったようだ。れいむは錯乱しかけたが、デコピン一発で黙った。 「こんなもんに騙されるマヌケは、そうだな、せいぜいお前の家族くらいだよ。せめてもっと長い木の枝を持ってこいよ」 「ゆうう……。でも、でもおおお……」 「おまえの小さい口じゃ、それも無理か。まったく使えねえな――はい、次は?」 「ぴ、ぴこぴこしゅるよ!」 れいむは左右の揉み上げを激しく上下させた。 通称『ぴこぴこ』。右と左、二本の揉み上げを持つれいむ種独特の動作だ。 「おにいしゃん、みちぇみちぇ! ぴこぴこしちぇるよ!」 「……」 「れいみゅのもみあげしゃんがぴこぴこしちぇるよ! ……しゅ、しゅごいでちょ? しゅごいよにぇ?」 「……で?」 「……ゆ?」 「その『ぴこぴこ』ってのは、どういう役に立つんだ? あれだけ言ったんだから俺の言いたいことは理解してるよな?」 「……ぴ、ぴこ……」 れいむは下を向いてしまった。考え込んでいるようだが、それでも揉み上げを上下させることはやめない。 「ぴこ、ぴこ……ゆっ!」 ほどなくして顔を上げたれいむは、 「ぴこぴこはみんなをゆっくちしゃせられりゅよ! だからあみゃあみゃちょうだいにぇ! ゆっくちしたぶん、たくしゃんおまけちてにぇ!」 満面の笑みで言い放った。 その「言ってやった!」と言わんばかりの晴れやかな表情に、男はデコピンを数発見舞った。 「いぢゃいっ! いぢゃいいいっ! やめちぇええええっ! ゆびいいいいっ!」 「ゆっくりどころか、むしろイライラさせられたよ。ムカついた」 れいむは、ただでさえ大きく丸い瞳をさらに大きく丸くさせて男を見た。その顔を言葉にするなら「信じられない」といったところか。 「お、おにいしゃん! やしぇがまんちないで、ゆっくちしちぇいいんぢゃよ! みんなに『くーるなびーとをきざんでるにぇ』っていわれたれいみゅの」 「……」 「ご、ごめんなしゃいっ!! でこぴんしゃんはやめちぇにぇっ!?」 「みんなみんなって、おまえの周りはバカ揃いなのか?」 男の言葉に、 「しょ、しょんなこちょない、よう……」 れいむは弱々しく反論する。 ――いい傾向だ。 男は思った。 「さて、そろそろ時間がないんだけど」 男は時計を見ながら言った。 「他に何かあるかな? 他者の役に立つ、れいむの得意なこと」 「ゆ、ゆう……」 かろうじて声を出すれいむに、男と出会った時のような元気はない。心身ともに参っているのが見て取れた。 男はそんなれいむに見せびらかすように、いい加減冷めてきたあんまんをかじった。 「うーん。あまあまだ」 「ゆああ……」 あまあまという語句に反応して顔を上げたれいむの口から、砂糖水の涎がたれる。 「もうあまあまも少なくなっちゃったけど、そろそろ諦める?」 「……ゆうううう! まだだよ!」 挑発的な男の口調にれいむは発憤したようだ。 「れいみゅ、ぴょんぴょんしゅるよ! ――ぴょんべっ!」 男が先ほどと同じように額にデコピンすると、れいむは器用に空中で体を半回転させ、やはり先ほどと同じように顔面から地面に落ちた。 「それは最初にやって、しかも駄目出ししただろう。おまえは、ほんっとにバカだな。特技だけでなく脳味噌までノミ以下か?」 「……ゆ」 「ん?」 「……」 れいむは地面に突っ伏さんばかりに俯いてしまった。 ――頃合かな? 男は思った。 れいむは俯いて黙ったままだ。 出会ってから十分足らず、あれだけ騒がしかったれいむが、今はゆんともすんとも言わない。 男は一度もれいむにあんまんを食べさせていない。 『ぴょんぴょん』から始まって『お歌』に『結界』、くだらない所では『ずーりずーり』や『こーろこーろ』等々いろいろ見せてもらったが、男が満足する「得意なこと」は無かったからだ。 約束通りの話だ。 もっとも、このれいむにそれほど気の利いたことができるなどとは、男も最初から思っていない。何と言ってもまだ子ゆっくりなのだ。 ただ、 「れいみゅはあみゃあみゃをたべるのがとくいだよ! だからあみゃあみゃちょうだいにぇ!」 などとやらかした時には、男は思わず吹き出しそうになった。意外と頭が回るものだと思った。 それをごまかすためにデコピンの連射をくらわせたが、力みすぎてほとんどゲンコツを押しあてているだけになってしまった。 今のれいむのヘコみよう――主に身体面――はアレが原因だ。 れいむはまだ黙っている。 ――頃合かな。 時計を見ながら、男は思った。 「はい。では時間切れでーす!」 男は大げさに宣言した。 「……ゆ、ゆう。ゆっくち……あきらめりゅよ……」 俯きながら蚊の鳴くような声でブツブツ言うれいむを尻目に、男はあんまんの最後のひと欠片を口に入れた。 「むーしゃむーしゃ、しあわせー! ……ごちそうさまでした」 聞こえよがしに呟いてから飲み込む。 するとれいむは、 「ゆわあああああ!! れいみゅのあみゃあみゃがあああああ!!」 突然大声を上げた。どうやら諦めきれていなかったらしい。 「おまえのあまあまじゃないだろ」 「どぼちてれいみゅのあみゃあみゃたべちゃうにょおおおおおお!? かえちて! あみゃあみゃかえちてええええ!」 なおも喚きながら足に取り縋るれいむを、男は軽く蹴飛ばした。 「いぢゃいっ!」 「役立たずのれいみゅちゃんにあげるあまあまなんかねえってえの。俺を満足させる『得意なこと』を見せなかったおまえが悪いんだぜ。最初に約束した通りだよなあ? あ?」 男のその言葉に、れいむは力無く抗議する。 「ゆっくちしちゃ、おうたを……きかしぇてあげたでちょ?」 「雑音だっつったろ? あの人の神経を逆撫でするような雑音が、いったい何の役に立つんだ?」 「で、でも、けっかいっ! は、じょうじゅにできた……でちょ?」 「余裕で破られたじゃねーかよ。あんな『ご自由にお入り下さい』って言ってるような結界があるかバカ」 「ぴょんぴょ」 「何回言ったら理解できるの? 馬鹿なの? 死ぬの? やっぱりノミさん以下の脳味噌なの? 虫さん以下の存在なの?」 「……」 「おまえ、もう死んだ方がいいわ。全っ然、なんの役にも立たねーもの。両親も友達もそう思ってるに違いないぜ」 「……どぼちてしょういうこちょいうにょ……? れいみゅだって、ひっしにいきちぇりゅんだよ……?」 れいむは顔を伏せて小刻みに震え始めた。涙だけでなく、なぜかしーしーまで流している。 それを見た男は満足して、 「バーカバーカ! れいむの役立たずー! 役立たずは生きてる価値なんかねーんだよーだっ!!」 嘲り笑う。 「れ、れいみゅは……やきゅたたじゅ、なんかじゃ、にゃい……よね? ……やくたたじゅ、にゃの……?」 「ホントにれいむ種のガキってのは使えないよなあ。まあそんなグズだからこそ、俺は楽しい思いをさせてもらえるんだけどな」 そんな何気ない男の一言に、ゆっくり特有の、超ポジティブシンキングとも言える餡子脳が反応したらしい。 れいむの涙としーしーはぴたりと止まり、代わりに目が輝き始めた。 「ゆゆっ? れいみゅ、おにいしゃんをたのちましぇてあげちぇるにょ? れいみゅがれいみゅだからいいんだよにぇ? にぇ? にぇ?」 「あ」 しまった、と思ったがもう遅い。 「ゆわーい! ゆわーい! れいみゅ、おにいしゃんのやくにたちぇたよおおおおっ! やくたたじゅじゃにゃいよおおおおおっ!」 「いや、これはそういう意味じゃなくて」 「ゆっくち! ゆっくち! ゆっくち!」 れいむは聞いていない。『ぴょんぴょん』、『のーびのーび』、『ぴこぴこ』――持てる身体能力を駆使して、まさに全身で喜びを表現していた。 これではもう、男が何を言っても無駄に思えた。 「お、おい、れいむ……」 「ゆっくちゆっくちいっ! ゆ! しょうだ、おにいしゃん! やくしょくにょあみゃあみゃをちょうだいにぇ! たくしゃんでいいよ!」 れいむのその要求に、 「せっ!」 男は人さし指と中指で応えた。 「とっくに時間切れだからさ。ご褒美は目潰しで勘弁してくれ」 「ゆびいいいいっ! れいみゅのきゃわいいおめめぎゃあああああっ!!」 目を潰した感触こそ男の指に伝わってこなかったが、だからと言って痛くないわけではないようだ。れいむはもんどりうって苦しんでいる。 「おめめいぢゃいよおおおおおおおっ! おきゃあしゃあああああん!」 ひたすら騒がしいれいむとは反対に、男は静かに溜息をついた。 「しまったなあ……」 そう一言呟いて、男は目の前で転がっているれいむをつまみ上げる。 「れいみゅ、おしょらをとんでいるみちゃい!」 れいむはそう呟いたあと、再び火がついたように「痛い痛い」と喚き散らしはじめたが、男には気にならなかった。 気がかりは他にあった。 「最後の最後で喜ばせちゃったよ。やっぱり、こういうのも味に影響するのかなあ」 暴行を加えられて苦しんでいる時のゆっくりの中身、すなわち餡子やクリームは通常時よりも甘い。今や大人から子どもまで知っている常識だ。 わざわざペットショップまで出向き、食用としてゆっくりを購入する甘党も少なくはない。家で虐待の限りを尽くし、それから食べるのだ。 その場合、殺してしまってはいけない。「苦しんでいる」というのが重要なので、瀕死のギリギリを見極めるのが大切だ。 ゆっくりを虐待して食した経験は、男にもある。しかし、加工所が販売している「原材料・ゆっくり」の各種甘味の美味しさとは、とても比べ物にならなかった。 加工所製の食品は、とにかく美味しいことで有名だ。とりわけ餡子を使った製品は、老舗和菓子店のそれをも凌駕するという声すらある。 素人が殴るなり蹴るなりしても、確かに甘さを増すことはできる。しかしあくまで甘くなるだけだ。風味や旨味に欠ける。 加工所での製造過程で加えられる調味料や添加物なども、確かに多少は影響しているのだろう。だが、加工所製品の味は、もっと根本的な何かが違うのだ。 それは、特に美食家でもない男でもわかるくらいの、大きな違いだった。 加工所でのゆっくり加工方法は、もちろん極秘だ。すべて外部に漏れないよう、職員にも徹底されている。 加工所の味を自分でも再現できればいいのにな――多くの人間がそう思うことに無理はなかったし、男もそう思っていた。なにせ、材料と言うにはあまりにも完成されている餡子がその辺に転がっているのだ。 それはインスタント食品などのうたい文句である「有名店の味をご家庭で」程度の、漠然とした思いではあったが。 再現できたらラッキー。できなくても別にいいや。その程度だ。 そんな中、男は噂を聞いた。 曰く、「加工過程にあるゆっくりは、肉体的だけでなく精神的にもとても苦しめられている。風味や旨味は、とりわけ後者の影響が大きい」。 そりゃ殺されるほどの痛みを感じれば心も平穏じゃいられないだろうよ。男はそう思いながら聞いたが、どうもそういう事ではないらしい、 ゆっくりの存在意義や自尊心を、根こそぎ崩してやるというのだ。 なるほど、と男は膝を打った。至る所で勝手に生きて勝手に死んでいるような、いや、「生きる」だの「死ぬ」だのと言っていいのかすらわからない饅頭に、そんな高尚なものが備わっているとは思いもしなかったからだ。 いいことを聞いたかもしれない。暇な時でも試してみようか。 そう思っていたところに、今日、れいむが現れた。 男は噂を検証してみることにした。 ――でも、しゅこしめんどくちゃいにぇ。 れいむの言うとおりだ。たかだかゆっくりを食べるのにそんな回りくどいことをするなんて、面倒なことこの上ない。 しかし噂の真偽も気になる。 たまには少しくらい、材料の下拵えに時間をかけてみるのもいいだろう。 男はそう考えた。 「うわ。さすがに冷てえな」 公園にある水道で、男はれいむを洗っていた。 冬、しかも外で真水に触れるのは嫌だったが、薄汚れたゆっくりを口に入れるのはさすがに抵抗がある。 「やめちぇええええええ!! ぎょぼぎょぼ! ちゅめたいいいいいいいい! くるちいいいいいい!!」 弱点である水にさらされ、なおかつ男の手でもみ洗いされているれいむは苦しそうだ。 「うるさいよ役立たず。俺だって冷たいんだ」 「おみじゅしゃんももーみもーみもやめちぇえええええ! れいみゅをゆっくちさせぎぇぼぼぼぼぼ!!」 「……この状況も、甘みを増すのに役立ってるんだろうな」 そう思えば水の冷たさにも少しは耐えられた。すべては好奇心を満たすためだ。 水で柔らかくなったれいむの体も、手に心地いい。 「おみじゅしゃんぎょぼぎょぼ! おみじゅしゃんはいやぢゃああああああ! からだがとけちゃうううううう!!」 とは言え、あまり洗っているわけにもいかない。うっかり殺してしまっては元も子もないのだ。 「まあ、こんなもんか」 蛇口をひねって水の流れを止める。 「ぶーるぶーる! がーちがーち! ぶーるぶーる! がーちがーち!」 ずぶ濡れのれいむは男の手の中で震え、歯を鳴らしている。 男は自分の手を拭くついでに、ハンカチで軽くれいむの水気も拭き取ったが、 「ゆゆゆゆゆゆゆうううっぐっぐうううううちちちちちち! がーちがーち!」 それでもかなり寒いらしい。歯がまったくかみ合わず、満足に「ゆっくち」とさえ言えないでいる。そのくせ、「がーちがーち」は普段と変わらない発音だ。 濡れた体にこの季節の寒風は確かに厳しいだろう。これなら水に浸かっていた方が、かえって温かいのかも知れない。 「しゃしゃしゃしゃしゃぶいいいいいい! しゃぶしゃぶしゃぶしゃぶっ」 「しゃぶしゃぶ?」 男はかがみ込むと、地面にハンカチを敷き、その上にれいむを置いた。 おもむろに、れいむの小さく赤いリボンを奪い取る。 「れれれれいみゅのしゅてきなおりりぼぼぼっ!! しゃしゃんっ! んんんがががっ!」 さらに揉み上げも引きちぎる。 「もっもみっ! もみあげじゃんんんっ! もうびっごびごごごごできにゃっ!」 そして、先ほどれいむが『結界』に使ったような木の枝で、れいむの足に穴を開け、 「あんよぼっ! もうぴょぴょぴょぴょぴょもずずずずずううううりずりもできにゃいいいっ!」 同じく木の枝で両目を貫いた。 「ゆんぎゃああああああ!! れいびゅのおおべべべべべえええええっ! ぎゃばいいいんおべべべっ!」 「本当なら足焼きなんかもしたい所だけどな。ま、それなりに甘くなればいいや」 今日は甘さ、つまり、肉体的な暴力を振るうことが目的ではない。 男は両方の手のひらで包み込むようにれいむを持ち上げた。そして手の中で逆さまにする。 「れれれいみゅのああああにゃあにゃあるううう、みみみみないでにぇええ! はじゅっ、はじゅかちいいいい!」 れいむの声を無視して、男はさらされた底部に右手の親指の爪を突き刺した。 本来は固いはずの野良ゆっくりの底部だが、水に濡れてほどなく柔らかくなっている。抵抗なく男の指を飲み込んだ。 「いいいいぢゃいいいいいっ! れいみゅのびきゃくぎゃあああああっ!」 痛みで寒さが吹き飛んだのか、いい加減、歯もかみ合ってきたらしい。何となく叫び声が明瞭になってきた。 男はそんな事を考えながら、れいむの中で親指を曲げ、ミカンの皮をむくように手首ごと横にひねった。 「ゆびいいいいいいっ! いぢゃいいいいいいいっ! れいみゅのもちもちなおはだがあああああっ!!」 男の目の前に、れいむの中身――目当ての餡子が露出した。 「さーて、お味は……」 餡子を人さし指ですくい、口に運んだ。 「……」 もう一度すくってなめる。 「やめぢぇえええ! れいみゅのあんござん、もっちぇいがないでええええ!」 れいむが叫んだ。 男は眉間に皺を寄せて、 「……全然駄目」 と呟いた。 確かに甘い。でも、ただそれだけ。単に肉体的な虐待のみを加えた時と同じく、甘いだけで、風味も旨味もなかった。 加工所の食品――たとえば先ほどまで食べていたあんまん――にはほど遠い味だ。 「うーん、やっぱり単純にバカにするくらいじゃヌルいのかな」 最後に少し喜ばせてしまったことも気になった。 「いぢゃいいいいい!! いぢゃいよおおおおお!! おきゃあしゃああああん!! ぺーろぺーろちてえええええっ!!」 「ただの悪口ってのも、さすがに安直すぎたのかもしれないし」 男は「罵倒」でなく「悪口」のイメージを心掛けた。ゆっくり、とりわけ子ゆっくりの単純すぎる餡子脳には、小細工などむしろ逆効果だからだ。理解すらされないだろう。 「ゆわあああああああん!! おちょうしゃあああああん!! たしゅけちぇにぇええええええ!!!!」 ひとりブツブツと呟く男の耳に、れいむの悲鳴は聞こえていない。 「たとえば食べる一週間前から他のゆっくりの悲鳴をエンドレスで流すとか……。そう、味を熟成させるみたいなイメージで」 少し考えただけでも、虐待の方法は山ほどあった。 もっとも、専用の特殊な機械でも使われていたらお手上げだし、それ以前に、精神的な虐待と味の因果関係さえ本当かどうかわからないのだが……。 ――とにかく、加工所の味は一朝一夕に解明できるものではない。当然だ。玄人の技術がそうそうわかってたまるか。 そう結論づけた男は、思い出したように餡子をごっそりと指ですくった。 「ゆぎいいいいいいいいいっ!!」 聞いている方まで苦しくなりそうな、まさに断末魔と呼ぶにふさわしい悲鳴を聞きながら、男はすくい取った餡子を口に入れた。 しばらく口の中に広がる甘さを堪能する。 そしてれいむをひっくり返し、目を失ったその顔を見た。 「やめちぇ……。もうやめちぇね……。れいみゅ、まだちにたくにゃいよ……」 体の半分以上の餡子を失いながら、それでもまだれいむは生きていた。 「かっちぇにおしょとにでたけっきゃがこれだよ……」 男はその頑丈さに半ば呆れながら、 「ま、餡子を提供してくれるゆっくりは、れいむ種だけだからな。その点は他のゆっくりにない『得意なこと』だと誇ってもいいぜ」 そう言って、水道の隣に設置されているゆっくり専用のゴミ箱にれいむを放り込んだ。 「おしょらを――」 お馴染みのセリフとともに、ゴミ箱に消えるれいむ。 ゴミ箱はちょっとした防音仕様が施されていて、中には水が張られている。すぐに溶けて死ぬはずだ。 男は時計を見た。 「さて、そろそろ帰らないと」 指に残った餡子をなめながら呟く。 「甘さだけはすごいんだよなあ」 そのうち、暇で暇でどうしようもない時にでも、またチャレンジしてみようか。 その時は材料も吟味して。そうだ。今度はれいむ種じゃなくて―― 「あ」 自分の勘違いに気づいた男は、ゴミ箱の口に顔を近づけた。 そして中――暗くてよく見えないが――に向かって声をかける。 「悪い、れいむ。さっき『餡子を食べさせてくれることを誇っていい』って言ったけどさ、あれ訂正するよ」 ゴミ箱は返答しない。 「まりさの中身だって餡子だもんな。れいむだけじゃなくてさ。いやあ、やっぱりれいむは能なしの役立たずだったよ」 男がそう言うと、 「やくたたじゅじゃにゃいよおおおおおおおおっ!」 防音仕様のゴミ箱の中から叫び声が聞こえた。 ゆっくりの声を聞き分けることなど男にはできない。それでも、さすがにその叫び声の主だけはわかる。 自分の声に応じられるものが、まだその中に存在しているとは思わなかった。 急に可笑しくなった男は、 「はははっ! 今のは今日一番おもしろかったぜ!」 ゴミ箱に笑いかけ、そして公園から出ていった。 「まりさとれいむのおちびちゃあああああん!! どこにいったのかぜええええええ!?」 「かってにおそとにでたらだめだっていったでしょおおおおおおお!? ゆっくりかえってきてねええええ!?」 男が立ち去ってからしばらく経った公園。 そこには、子ゆっくりを探すまりさとれいむの姿があった。 しかしその必死な呼びかけに応える者はいない。 もう、ゴミ箱も沈黙するだけだ。 (了) 以前書いたもの…… ふたば系ゆっくりいじめ 525 犬 ふたば系ゆっくりいじめ 532 川原の一家 ふたば系ゆっくりいじめ 554 ゴキブリ(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 555 ゴキブリ(後編) ふたば系ゆっくりいじめ 569 ねとられいむ ふたば系ゆっくりいじめ 622 格子越しの情景 ふたば系ゆっくりいじめ 654 奇跡の朝に トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 子ゆを捜してる親ゆの姿にとてもゆっくり出来た -- 2011-07-03 17 10 24 おもしかったです! でもゴミ食ってる野良の子ゆなんか食べたくないよw -- 2011-06-29 06 42 13 街中のゆっくりなんか何食ってるかわかんないし食いたくないな。 加工所では、食用に品種改良とかしてるのかなー? -- 2010-10-28 16 32 42 ゆ虐は何気に腹が減るSSが多くて困るぜw 食べてみたいなー -- 2010-10-01 06 47 46 子ゆうぜぇ~! でも、食べてみたいな -- 2010-07-30 00 48 02 ゲスじゃなくても超ウザい これぞ赤ゆクオリティ -- 2010-07-29 22 21 55 子ゆの悲鳴はゆっくりできます。 -- 2010-07-25 11 19 36 ありす喰いたい -- 2010-07-03 18 56 41 わーい ゴミがゴミになったよ -- 2010-06-28 02 34 48
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「ゆっくり流産してねっ!」 1 「あっちぃーねぇ。」 「やめてよ、よけいあっつくなるわ。」 「じゃあ、さむ」 「寒いっていえば寒くなるなんてあほなことゆーなよ。」 二人の少女としえとあきがアイスを食べ、ぶらぶらとだべりながら川沿いの道を歩いている。真夏の太陽の光がさんさんと降り注ぎ、二人の肌からは玉のような汗が噴き出してくる。汗でべったりと張り付くTシャツにとしえは気持ち悪さを感じた。 「……これからどーする?」 「どーって、どうしようか。涼しいとこ、ジョスコかイヲンでも行く?」 「出た、ジョスコ。」あきの言葉にとしえは半ば馬鹿にしたように笑う。 「としちゃん、ひどっ。田舎にとってジョスコは聖地だよ?」 「はいはい。」 いま二人がいるのはあきの母方の田舎であるS県、T市である。県の中心から西に離れたT市は山に囲まれ、今でも多くの緑が残る自然豊かな場所だ。辺りには田んぼや畑がひろがり、二人の歩いている山間の道のそばを流れるA川の水も美しく澄んでおり、二人の住む街を流れる川と同じとは思えない。夏の陽さしが水面に反射してキラキラと輝いている。帰省するあきの家族に誘われ、としえもここにいる。 「さいしょはめずらしかったけどさ。」二人はサンダルを脱ぎ、足を川にいれてつかの間の涼をとる。 「あきには悪いけどさ、やっぱ田舎だわー。やることねーもん。」 「なんどもひどいなぁー、としちゃん。……でもたしかにやることないねぇ。」 「男子ならなんかあるかもしんないけど、うちら女子だし。」 「虫取りとか死んでもしないし。」 「さんぽするのいいけど、なんもないし、あっちーし。」 「そうだねぇ。」 ぱしゃぱしゃと水面をけり、水しぶきをあげる。しばらくの間辺りには蝉のうるさいくらいの鳴き声と、田んぼから聞こえるカエルの鳴き声、そしてあきがたてる水音が響いた。 「あっ、ゆっくりだ。」ふと、あきが声をあげた。 「どこ、あぁ、ほんと。」あき見る方向にとしえも目をむけると確かにそこには一匹のゆっくりれいむがいた。 「田舎にもいるんだぁー。」 「どこにでもいるんじゃない?こどもつくることしか能がないからねぇ。」 「……、てかさ、なんかでかくね?」 そのれいむは二人がいる岸を50メートルほどのぼったところにある木陰にいた。普通のゆっくりの大きさであれば、それだけ離れていればここからでは野球ボール大くらいにしか見えないだろう。しかし、どう見てもそのれいむはそれよりずっと大きい。 「たしかに。」そういうと二人は面白いおもちゃをみつけたようないたずらな顔を合わせた。 「行ってみるかぁー、暇だし。」 川のほとりから立ち上がり、濡れた足もそのままでサンダルを履き、二人はそのれいむのもとまで駆け出した。二人にとってはただの暇つぶし、れいむにとっては地獄のような苦しみの時間が始まるのだった。 2 「「でっけぇー!」」二人は意識したわけでもなく、同じ言葉を口にした。 「なにこいつ、ちょーでかいんだけど」 「まじだわ、1メートルはあるんじゃね?」 「たぶん、普通のゆっくりの何倍だ?あぁ、こいつがドスって奴?」 「違うと思うよ。ドスってまりさがなるみたいだし。」 「ふーん、それはいいけど、とにかくでっけーな、こんなでっかいの初めて見た。」 「うぅーん。ゆゆうっ、なんだかうるさいんだよぉ。」 木漏れ日が優しげにふりそそぐ最高のゆっくりプレイスでお昼寝をしていたゆっくりれいむが、ふわぁぁとあくびをしながら目を覚ます。 「ゆゆっ、にんげんさんだ。ゆっくりしていってね!」 寝ぼけまなこに二人のにんげんさんの姿をみとめると、まだ眠いのを我慢してれいむはごあいさつをした。 「「ゆっくりしていってね!!」 としえとあきも笑顔でゆっくりのあいさつを返す。 「ゆゆぅー、にんげんさんもとってもゆっくりしているね!!」 嬉しそうにれいむは答えた。よかったわるいにんげんさんじゃあないみたいだ。 「れいむもね。どうあまさまさん、飴しかないけど食べる?」 「ゆっ、あまあまさんくれるの?れいむあまあまさんだいすきだよっ。」 「そっかそっか、はい、じゃーどうぞ。」 「ありがとー、にんげんさん!とってもゆっくりできるよ、ぺーろぺーろ、……し、し、しあわしぇーー。」 にんげんさんからもらったあまあまさんのおいしさに全身で感動をあらわすれいむの傍らで、としえとあきは何事かを話している。 「…ゲスゆっくりじゃないみたいね。」 「飼いゆっくりでもないみたい。バッジないもん。ねぇ、れいむ」 「しあわしぇーー、ゆゆっ、なぁに、にんげんさん?」 「れいむはどうしてそんなに大きいの?」 「ゆゅ、どうしてかなぁ?」少し考えるように小首をかしげたあと「ゆゅー、たくさんごはんさんをむーしゃむーしゃするからだと思うよ!」と元気に言った。 「それはなに?山にそんなにたべものがおちてるの?」 「それもあるけど、おやさいさんもたべたりするんだよぉ。」 「なに、勝手に畑に生えてる野菜を食べてるわけ?」 「ゆゆぅー、ちがうよ。生えてるのはだめだけど、たべていいよっていうちいさいおやさいさんがあるんだよぉ。それにれいむはいまたくさんむーしゃむーしゃしなきゃいけないんだよ!」 「ふぅーん?そうなんだぁ。」れいむの答えを聞くとひそひそと二人だけで話し始めた。 「つまり、売り物になんないよーな捨てられた野菜をたべてるってわけか。」 「田舎の人はやさしいねぇ。でも積極的に世話してるってわけでもないみたい。むかつくねぇ、ゆっくりのくせに。ゆっくりしすぎだよ。」 「そんなゆっくりはさ…」としえがあきの耳元でぼそぼそつぶやく。「ふふっ、くすぐったい。」ばか、と言ってとしえはそんなあきの頬をつまみながら話を続ける。「こうするのはどう?」、「うわぁ、すっごく面白そう。」、「じゃあ、そういうことで。」、「おっけー。」 「れいむ。」あきがれいむに再び話しかけると同時に、としえはその場所から離れていく。 「なぁに、にんげんさん。もしかしてもっとあまあまさんくれるの?」 「うん、いいよ。でもその前に私たちと遊んでほしいの。」 「ゆっ、いいよぉ、なにしてあそぶのぉ」れいむはぴこぴこを左右のもみあげ震わせ期待に満ちた目であきを見る。 「それはねぇ、ぎゃくたいっていうの。」そんなゆっくりしたれいむの様子を見て、あきは満面の笑みで答える。 「ぎゃくたい?ぎゃくたいさんってなぁに?たのしいの?」 「うん、でもそれは私たちにとってだけね」 「ゆゆぅー?」その言葉になにか不穏なものを、はっきりとした形ではないがれいむは感じた。しかし、一方でもあまあまさんをくれて優しくしてくれたにんげんさんがひどいことはしないはずという気持ちもある。 「れいむぅー!」そんな 大きな自分のを呼ぶ声が聞こえた。声の主は先ほどここから離れたもうひとりのにんげんさんだ。なんだろうと思っていると、そのにんげんさんが叫びながらこっちに走ってくる。 「ゆっ、くっ、りっ、しっ、てっ、いっ、てっ、ねぇー」 「ゆゆゅ?にんげんさんもゆっくりしてい、ゆげぇぇええええええええええええ。」 ゆっくりのあいさつを言い終えることなくれいむはゆがんだ叫びをあげざるをえなかった。にんげんさんがこっちに走ってくるかと思うと、ぴょんと飛びあがり自分の頭をふみつけたのだ。 「ゆがぁぁぁあぁぁ、にんげんさんなにするのぉ、こんなおあそびれいむゆっくりできないよぉぉ。」 飛び乗られた衝撃で口から餡子を吐いてしまい、苦しげにれいむはにんげんさんにたづねた。 「へぇー、まだやめろぉーとか、くそにんげんがぁーとかいわないね。」 「ふっーん。田舎だからかな。」 「もぅー、としちゃんさっきから馬鹿にしすぎー」ぷんぷんと少し怒った声色をだすあきに、としえはごめんごめんと謝るしぐさをする。 「にんげんさぁん、きこえてるのぉ、こんなおあそびれいむたのしくないよぉ。」 「ばかだなぁ、さっきいったでしょ、あんたには楽しくないって。楽しいのは私たちだけ。」 「……ゆゆっ?」 「そんなこと話してたん?でも、まっ、ほんとーに楽しいのはこれからなんだけどね。」 としえはにやりと笑うと、れいむの左右のもみあげをつかみ、れいむを地面にあおむけになるような形で倒した。 「よいしょー。っあぁー、おもてぇー、でっかいだけのことはあるわ、このデブれいむ!」 すかさずとしえは倒したれいむの上に馬乗りになり、ぱぁんと鋭い平手をれいむの右頬にお見舞いする。 「きぃーてんのかよ、このでぶまんじゅう。」 「ゆゆうっ、きこえてるよぉ、きこえてるからゆっくりしないではやくやめてね!」 「ざんねんでしたー。やめませーん。おらっ。」あきはさらにもう一発今度はれいむの左の頬をうつ。 「ゆんやぁぁぁ、いたいよぉぉぉ、ゆっくりできないよぉぉぉぉぉぉぉぉ。」 「てめぇー、まんじゅうこのやろー。なんじ右のほっぺたぶんなぐられたら、」今度はあきの履いていたサンダルを手に持ってれいむの頬をうつ。 「さっさと左のほっぺもさしだせや、このくそまんじゅうがぁ!」としえはれいむの頬をぱんぱんぱん滅多打ちにする。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーッ!」 「ゆげぇ、ゆぎゃあぁあ、やめへっ、もう、」 「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラーッ!」 「ゆへぇ、ゆっ、ゆぎゃぁ、くだっ、さいっ、もうやっ。」 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁー」 ゆっ、ゆゆっ、やべえ、ゆげぇと頬を張られるたびに短い悲鳴をあげ、同時に口から少量の餡子とよだれをはきだす。痛みのせいで目からは涙が流れ続け干からびてしまうかと思うほどだ。その様子を見るあきが笑顔で息きれないのっと笑ってみていた。 3 「おらっ、どうだれいむ?」 それからもう何十回、いや何百発れいむの頬を張ったのだろうか。今やれいむは頬を叩かれてもびくりと体を震わすだけで、泣き叫ぶこともしなくなった。としえのほうはさすがの体力に自信のある彼女もさすがに息を荒くし、体中から汗がふきだしてTシャツを濡らしている。しかし、先ほどとは違ってその流れる汗も心地よい。一仕事終えたような達成感に包まれているためだろか。ゆっくりいじめに達成感って、とつい自分でも内心苦笑してしまう。 「お疲れ様。」 ふいにとしえの首筋にヒンヤリとした感覚が走る。あきがはいっと、としえの首にあてたジュースを差し出す。 「おっ、さんきゅー」 「どういたしまして。いやぁ、でもすごいねぇ」 何百回も打たれ続けたれいむの両頬、いやその体は血が通っていないにも関わらず真っ赤になっている。口には漏れたあんことよだれでぐしょぐしょになり、顔には流した涙の跡がはっきり残っている。としえに馬乗りになられたままのれいむ既に気絶しているのか、それとも痛みで動けないのかぐったりとし荒い呼吸を繰り返している。 「でしょ、体がでっかいからちょー叩きがいがあったわ。」 「そうだね、普通のゆっくりだったら死んでるかも。」 「うん、でもさ、見てみ?」としえはれいむの頬を指差す。 「もし拳固でなぐってたらもう皮から餡子が出てると思うんだけどさっ。」 「うん?」 「平手で打ち続けたからそんなに皮もやぶれてないっしょ?」 「ほんとだー。」 「でも、その割に体の中自体にダメージは与えられたと思うんだけど。…ほら、れいむっ!」 としえはれいむの口に飲んでいたオレンジジュースを流し込んでやる。 「……ゆぅぅぅ、ゆんやぁぁぁぁぁっぁぁぁ、もうやめてくださぃぃぃぃぃ。」 目を覚ましたれいむは叫び声をあげるが、すぐにうるさいと叩かれた。 「ゆぅつ、ゆぇ、ゆぇえぇ、どうしてぇ……。」 「あん?」 「どぼちてこんなことしたのぉぉぉぉぉ、れいむなにかわるいことしたぁぁぁ?あまあまさんほしがったせいですかぁぁぁぁ?したならあやまりますからぁぁぁ、もうやめてくださぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。」 「いやぁ?べつになんもしてないけど?ていうーか、あんたなんかしたっけ?」 「……ゆっ?わからないよぉ、ならどうしてこんなひどいことしたのぉぉ?」予想外の答えにきょとんとするれいむ。 「いや、やることなかったから、暇つぶし、みたいな?あんたみたいなでっかいゆっくりはじめて見たし、なんかたたきがいありそうだなぁーって。」 「ひっどー、まじ鬼だわ。て、見てたわたしもだけど。」あきはクスクスと二人のやりとりを見て笑みをこぼしてしまう。 「でも、もう飽きたわ!」笑顔でそう言い放つと、としえは馬乗りになったままであったれいむから降りた。 「…………。」 「別に殺すつもりはないからさっ、もうどこにでもいけば?」 「ヤリ捨てってやつだぁー、あきちゃんまじレイパーだよ。」 「聞いてる、れいむ?もう視界から消えて、うざいから。」 うつむいたままで二人の言葉を聞いていたれいむが急にぶるぶると体を震わせたかと思うと、二人に向かい叫んだ。 「このぉぉぉぉぉぉ、くしょにんげんがぁぁぁっぁぁぁ、なにがひまつぶしだぁぁぁぁ、 こんなくずはせいっさいしてやるぅぅぅぅぅぅ!」 としえに向かい渾身の力をこめ、体当たりしようとするが、悲しいかなしょせんはゆっくり。ゆっくりの動きが人間の速さを凌駕することはない。ましてこのれいむは1メートルを超すような巨大ゆっくりである。どんなに自身が速く動いているつもりでも決して二人に追いつくことはない。 「にげぇるなぁぁぁ、ゆっくりしないでさっさとせいっさいされろぉぉぉぉぉぉ!」 「うわぁぁ、こわっ、れいむまじおこぷんぷんまるなんだけど。ゲスになったの?おお、怖い怖い。」 「ていうか、ムカ着火ファイアーじゃない?ほらほら、ゆっくりしないで早くこいよ。」二人はおにさんこちらのように手のひらを鳴らしてれいむを挑発する。 「こんのぉぉぉぉぉ、ばかにするなぁぁぁっ!………ゆっ!」 原住民のような、まるでゆっくりに似つかわしくない叫びをあげて二人を追っていたれいむが急にその動きを止める。 「あれ、どうしたんだろ、急に止まったよ、あいつ。」 「わなじゃね、なにか企んでるとか。」 「かなぁ?いやっ、なんか違うみたい。」 よく見るとれいむは粘着質な汗をかきながら顔をひきつらせ、自身の体にむかってなにか話している様子だ。 「だめだよぉ、あかちゃん、まだでてきちゃだめだよぉぉぉぉぉおぉ。」 「どうしちゃったの?」 「ゆっ、くそにんげんがぁぁぁぁ、ゆっくりしないではやくきえろぉぉぉぉ。」 「追いかけてきたり消えろって言ったり、忙しいやっちゃな…。れいむー、あかちゃんが産まれそうなのー?」 「そうだよぉ、赤ちゃんまだおかあさんのなかにいなきゃだめなんだよぉ。まだうまれるのははやいからねぇぇぇぇぇ」 「ふーん、あんたの体のなかに赤ゆっくりがいて、そいつは産まれたらすぐ死んじゃうような未熟児ってわけなんだ?」 そのあきの言葉を聞き、としえはにんまりと笑う。そして、痛みで動くことのできないれいむに近づき、おもむろにその腹を蹴った。 「ゆっ、やめろぉぉぉ、ばかなのぉぉぉぉ、赤ちゃんがでてきちゃうでしょぉぉぉ。」 「いんだよ、流産しちまえ。」そういうと今度は何度も執拗にれいむの腹を蹴りあげる。 「りゅうざん?」 「そうだよ、予定よりはやくうまれちゃうことを流産っていうんだよ。おまえみたいなくそまんじゅうの子供なんか生きてたってしかたないからさ。」 まるで猫がネズミをいたぶるかのような目をして、それでいてとても優しげな声で言う。 「ゆっくり流産してね!」 としえに蹴りに合わせるかのように、あきも囃子声をあげる。 「りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん。」 「りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん。」としえもれいむの腹部を蹴るたびに声をあげ始めた。 「りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん。」 「りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん。」 「りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん。」 「りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん。」 そんな声にかこまれたれいむ。 「やめろぉぉぉぉ、だまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、あかちゃんだめだからね。おかあさんはあかちゃんをりゅーざんしたりしないからね。」 「さっさとながれろよ!おらっ!」続けてれいむの腹を蹴る。 「りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん。」 「りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん。」 「りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん。」 「りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん、りゅーっざん。」 れいむは二人の呪いの言葉をまるで人間が耳をふさぐようにして両方のもみあげを顔に当てる。 「やめろおぉぉぉぉ、やめろぉぉぉぉぉぉぉ、やめろぉぉぉぉぉぉぉ。………ゆっ?」 叫ぶために力を入れてしまった、まさにその瞬間まむまむから嫌な感触がれいむの体に走った。 「ゆっ、ゆっ、ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁ、おちびちゃぁぁぁぁっぁぁぁん、うまれてきちゃだめっていったでしょぉぉぉぉぉぉ。りゅうざんしちゃったよぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!」 「ゆゅ、ゆやぁぁぁ」 未熟な体で―眼も口もはっきりしない、髪の毛もほとんんど生えておらず、かろうじてお飾りの形からまりさ種とわかる―生まれてしまった赤まりさが苦しげに小さなうめき声をあげる。 「あかちゃぁぁぁん、ゆくっりしていってね、ゆっくりしていってね!……いってね、ゆっくりしてねっていってよぉぉぉぉぉぉ。」 未熟児赤まりさはれいむのほうを見ようとするが、体を動かすこともまともにできないのだろう、コロンと転がったかとおもうと、そのまま短い間隔で体を震わせる。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……。」 始めから小さかった声がまるでろうそくの炎が消えるかのようにどんどん小さくなっていく。そしてついにうめき声もあげなくなり、未熟児赤まりさはゆっくりすることなく―そもそも意識があったかすらわからないが―死んだ。 「いっぇーい、りゅうざん成功―。」 「死んだまりさにかんぱーい!」 その様子を見て、としえとあきはぱんと小気味のよい音をたてハイタッチをする。 「ねぇ、れいむ、いまどんな気持ち?りゅーざんしちゃっていまどんな気持ちぃ?」 「赤ちゃんをりゅーざんするなんて、れいむはさいってーのお母さんだね!赤ちゃんもあんたみたいなくそおやに育てられなくなってよかったね!」 二人はくるくるとれいむの周りをまわりながら、声をあげる。 「さいてーのくずおや?……れいむはくずなおやなの?」 自分の子供の死を受け入れられず、呆けていたれいむが二人の声に反応する。 「そうだよっ、自分の子供も守れないなんてさいってーだよ。」 「そうそう、さいってー」 「れいむはさいってー、りゅうざんして、こどももしなせるようなくずゆっくり…。」 「わかってんじゃーん。そうだよ、このク、ズ!!!」 「………ゆへぇぇぇぇぇ、そうです。れいむはくずです、くずなゆっくりです、赤ちゃんをころしたさいってーなゆっくりです……。ごめんねぇ、赤ちゃん。こんなくずからうまれてごめんねぇ。ごめんねぇ、ごめんねぇ、ごめんねぇ、ごめんねぇ、ごめんねぇ。」 「あらら、壊れっちゃたねぇ。」 「うん壊しちゃったねぇ。メンタル豆腐すぎ。そんなんじゃ、平成の世は生きていけないよー。」 赤ゆっくりの死骸を前にして、目の焦点もあわずよだれをだらだらと流しながらぶつぶつごめんねごめんねとつぶやくれいむをみて二人は顔を合わせた。 「……でもっ、まっ、ゆっくりがどうなっても知ったこっちゃないかー。むしろこの世からごみが消えたみたいな?」 「そうだねぇ、そろそろ日も暮れてくるし帰ろうっか。」 「帰ろうっか、今日のご飯なんだろうね?」 「お寿司とってくれるっていってたよ。」 「まじで、やったー田舎サイコー!」 「現金だなぁ。」 としえの変わり身の早さにあきはついつい苦笑してしまう。そして楽しげな様子で二人は家路についた。 いつの間にか空はオレンジ色の見事な夕焼けに染まっている。その光が壊れたれいむの体ににもオレンジ色に染め上げる。れいむはいつまでもぶつぶつと赤ゆっくりの亡骸のまえで謝り続けていた。 選択肢 投票 しあわせー! 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